事務所ブログ

2017.03.06更新

前回、前々回に引き続き、家族信託が取り上げられた

2月28日NHKテレビのクローズアップ現代+について

私なりの補足をしたいと思います。

 

「(認知症が)重症になってしまうと、…

(資産が)一切凍結したら、そういうもの(マンション)を

売ったりとか、お金を使ったりできなくなってしまう。」

 

→ 成年後見制度を利用すれば、一切できないわけではありませんが、

できるのは必要最小限で、制約も多いです。

 

認知症などで、判断能力がない人のした契約は無効です。

売買などの契約やお金の支出も無効、

つまり財産は凍結されたのと同じ状態になります。

 

しかし、成年後見人が選任されれば、

成年後見人が判断能力の衰えた本人に代わって

契約をしたり、必要なお金の支出をしたりできます。

 

それでも、裁判所や監督人の監督下で、

本人にとって必要最小限の妥当な金額の範囲に限られます。 

 

本人の意思が確認できない以上、

これはしょうがないことでもありますが、

制約が多いため、結局「財産を凍結される」と

感じる人が多いのも事実です。

 

しかし、元気なうちに信託で家族に財産を託しておけば

本人に判断能力がなくなっても、信託契約などに込められた

本人の意思に基づき財産の管理ができます。

 

例えば、居住用の不動産の売却でも

信託されていれば裁判所の許可は不要です。

その他、場合によっては金銭の贈与も可能です。

(ブログ「将来、長男に住宅資金を贈与したいが…」をご覧ください。)

 

信託を設定した後に、本人の判断能力が衰えても

信託契約の中に凍結された本人の意思が

ずっと財産管理の指針として生き続けるので

財産は凍結されません。

これは、信託の「意思凍結機能」と呼ばれたりします。

 

意思凍結機能

(昨年本多が講師を務めた研修会資料より)

 

信託した場合でも信託契約による制約は受けますが

必要に応じて、管理しやすいように、

売却などしやすように決めておけば

「凍結される」と感じずにすむと思います。

 

繰り返しになりますが、

信託は元気なうちにしかできません。

判断能力がなくなってからは

成年後見制度を利用せざるを得ません。

 

テレビを見られた方は、この機会に

ご家族の方と話し合われてはいかがでしょうか。

 

家族信託、成年後見、財産管理・承継のご相談は

小倉北区の角田・本多司法書士合同事務所までご連絡ください。

 

 

 

 

 

 

 

投稿者: 司法書士 本多寿之

2017.03.03更新

前回に引き続き、家族信託が取り上げられた

2月28日NHKテレビのクローズアップ現代+について

私なりの補足をしたいと思います。

 

「家族信託では、関係者全員が話す場を作るのがルール。」

 

→ もちろんそれが理想ですが、財産を託す・遺す人の

意思を優先させることもできます。

 

例えば、親と子全員が、親の財産について

今後の管理や承継について話し合い

信託を設定できれば理想的です。

(遺言作成の場合でも同じだと思います)

 

しかし、親が、親孝行の子と親不孝の子に差をつけたいと思ったとしても

それはそれでおかしな話ではないと思いますが、

差をつけられた子は同意しないかもしれません。

 

その場合でも、財産を遺す親の意思を優先して

親と一部の子のみの話し合いで信託契約を結ぶことは可能です。

(これも親の意思のみで遺言を作成できるのと似ています)

信託は委託者と受託者の2者の契約で成立します。

信託契約

 

差をつけられた子はいい気持ちはしないかもしれません。

しかし、後にトラブルになるのは、遺言も信託もしないで

親の死亡後、子がお互いに自分の主張をぶつけ合うときだと思います。

 

遺言や信託で親の意思が示されていれば、

不本意でも子は従うこともあると思います。

 

番組の中でも、遺言について

「ないよりあったほうが絶対いいと思います。」とコメントされていました。

これは信託についても同じです。

 

家族全員が納得できるよう努力は必要でしょうが、

それができないとき、何もしないよりは

遺言や信託で自分の意思を遺しておく方が

後のトラブルを防げる可能性はずっと高いと思います。

 

遺言も信託も判断能力がなくなってからはできません。

元気なうちに考えてみてはいかがでしょうか。

 

次回に続きます。

投稿者: 司法書士 本多寿之

2017.03.01更新

2月28日NHKテレビのクローズアップ現代+で

「さらば 遺産“争族”トラブル 家族で解決!最新対策」と題し

家族信託が取り上げられました。

 

テレビで家族信託が取り上げられたことは

画期的だと思いますし、このすぐれた仕組みが

必要な方に利用されることが期待されます。

 

番組は25分間という限られた時間で、

当然、伝わる情報量にも限りがありましたので、

私なりに補足したいと思います。

 

信託のしくみ

 

「遺言が、亡くなったあとにしか効力を発揮しない一方で

家族信託は親が生きているときから相続のときまで

続けて機能するのが大きな特徴です。」

 

→ さらにその後の財産の管理・承継についても

引き続き機能させることができます。

 

家族信託は、死亡する前の財産管理について

機能させることができるのも大きな特徴ですが、

死亡した後の財産の管理方法や、

さらにその後の相続による承継について決めておくことができます。

遺言などとの比較 

遺言で指定できるのは、

例えば自分が死亡したら財産はAに承継させる

という、自分が死亡した時点のことだけですが、

その後にAが死亡したら実質的にBに承継させる、

Bが死亡したら実質的にCに承継させる・・・

 という遺言ではできないことが、家族信託では可能になります。

もちろん、その間の財産の管理方法についても決めておくことができます。

 (ブログ「受益者連続型信託信託」をご覧ください)

 

受益者連続

 

この機能だけでも、信託を利用する価値はあると思います。

(この機能を活用した例

 ブログ「先祖代々の家と土地を妻→弟の長男と引き継がせるには」をご覧ください)

 

 続きは次回へ。

投稿者: 司法書士 本多寿之