事務所ブログ

2012.12.24更新

不動産の所有者などの住所変更について前回からの続きです。

何度も転居している場合は、
何か所かの役所から住民票、戸籍の附票
場合によっては「不在籍不在住証明」を
取り寄せなければならないこともあります。

しかも、住民票、戸籍の附票は
それぞれ住所、本籍がわからければ
取り寄せができません。

前の前の住所を覚えていなければ、
まず、前の住所の住民票を取り寄せて、
それに載っている「前住所」を確認してから、
前の前の住所の住民票を取り寄せます。

本籍については、前の本籍の番地ですら、
覚えている人の方が少ないかもしれません。

つまり、一気に、必要な住民票・戸籍の附票を
取り寄せることは、難しいことが多いのです。
そのため、思いがけず日数がかかってしまい、
売却の期日に間に合わない、なんてこともあり得ます。


4 日本に住む外国人の方の住所変更登記


今年の7月9日に、
それまでの外国人登録の制度が廃止され、
住民基本台帳法の適用対象となったことで、
日本に住む外国人の方も住民票が発行されるようになりました。

ところが、この住民票には現在の住所はもちろん載っていますが、
前住所が載っていません。
これでは住所が移った経緯がまったくわかりません。

外国人の方の「登録原票記載事項証明書」には、
他の市町村で何度か転居したことがあっても
現在までの転居の経緯を載せてくれるので
不動産の住所変更にとても役に立つ証明書です。

しかし、今までこの証明書は
居住する市町村で発行してくれていたのですが、
7月9日からは、東京の法務省に開示請求をする必要があります。
法務省のホームページ
にも載っていますが、
写しを発行してもらうのに1か月程度かかるようです。

日本に住む外国人の方が、
不動産を売却する場合で、住所の変更登記がある場合は、
このことを考慮して期日を決める必要があるでしょう。


5 「たかが名変、されど名変」


ところで前回、不動産の住所変更には
いつまでにしないといけないという規定はないとお話ししました。

また、住所をA→B→Cと移った場合でも、
AからBへ一気に住所変更登記ができます。

マイホームの登記であれば、そこにずっと住む予定でしょうから
そこに転居したとき、住所変更登記をされるのがよいでしょう。
しかし、また転居が予定されるような場合、
転居するたびに住所変更登記をするのは
手間と費用がかかり不経済かもしれません。

であれば、転居するたびに、前の住所の市町村で
住民票の除票を取得して保管しておけば、
いざ売却のときに慌てることはなくなります。

でも、実際にそうやってご自分で保管されてる方に
会ったことはありませんが・・・

不動産の住所変更登記は、正しくは「名義人住所変更登記」といい、
司法書士は略して「名変(めいへん)」と呼んでいます。
そして、「たかが名変、されど名変」ということわざ(?)もあります。

たかが住所の変更と考えてしまいますが、
メインの売却による所有権移転登記よりも
書類をそろえるのに手間と時間がかかることがあり、
必ず住所変更登記をしなければメインの登記はできません。

たかが住所変更の登記ですが、
軽視できない手続きということで、
2回にわたってお話ししました。


北九州市とその近郊
遠賀郡、京都郡、行橋市、直方市などで、会社・法人の登記、
土地建物の贈与・売買・相続などの登記手続きは
小倉の角田・本多司法書士合同事務所へご相談ください。

投稿者: 司法書士 本多寿之

2012.12.24更新

会社・法人の役員、または
不動産を所有している個人の住所が変わったとき、
必要な登記手続きがあります。

最初にお話ししておきますが、
「たかだか住所の変更」と登記手続きを放置していると、
会社・法人なら過料をかけられる、
不動産なら売却の際に手間取ってしまうことがあります。



1 会社・法人の役員


株式会社であれば代表取締役、
有限会社であれば取締役については
その役員の住所が登記簿に載っています。

また、その他の法人では代表権のある役員
(法人によって呼び名は違いますが
「理事長」「代表理事」「代表役員」など)も
その住所が登記簿に載っています。

これらの住所が登記簿に載っていいる役員が
転居するなどして住所が変わった場合は
変わったときから2週間以内に
住所の変更の登記をしなければなりません。

(会社法915条 組合等登記令3条など)

会社・法人は、役員の住所に限らず、
登記簿に載っている事項に変更があったときは、
2週間以内に登記しなければなりません。

しかし、法人の住所、名称、目的、資本金などに比べれば、
役員個人の住所の変更は重要度は低いと認識されるようで
ついつい変更登記を忘れがちです。

しかしブログ「会社の登記を放置すると反則金(過料)がかかる?!」
でお話ししたとおり、
2週間以内に登記しなければ、過料に処せられます。

実際は、2週間を少しくらい過ぎてもかけられないこともあるようですが、
過ぎてしまうとかけられても仕方ありません。
転居したときは、役所やいろいろなところに手続きをするでしょうから、
法人の役員の方は、登記についても注意してください。


 不動産の所有者などの場合


不動産の登記簿には、
所有者や抵当権者などが個人の場合、
必ず、住所と氏名が載っています。

では、所有者などが転居して住所を変わった場合、会社・法人と違って、
いつまでに変更登記をしないといけないという規定はありません。

しかし、売却をする、抵当権を設定したり抹消したりするときなどは
現在の住所に変更登記をする必要があります。
変更登記には、登記簿に載っている住所から
現在の住所に移った経緯のわかる住民票などが必要です。


一度しか転居していなければ、住民票の前住所が
登記簿に載っている住所でしょう。


3 何度も転居している場合は、注意が必要


しかし、何度も転居して、現在の市町村の外から転入した場合、
現在の住民票には登記簿に載っている住所は載っていません。

その場合は、前に住んでいてた市町村から
住民票の除票を取り寄せる必要がありますが、
住民票の除票は、除票になって(転出して)
5年経過すると原則、廃棄されてしまいます。

本籍地の役場には、「戸籍の附票」という住所を記録したものがあり、
これも住所を移った経緯のわかる証明になりますが、
やはり、市町村の外に本籍地を移すと戸籍の附票
戸籍の附票も除票となり、5年で廃棄されます。
(右の画像は戸籍の附票の例)

また、戸籍と付票のコンピューター化がすることで
本籍地を移さなくても、
それまでの附票が除票となってしまい、
5年経過すると廃棄されてしまいます。

福岡法務局管内では、住所変更登記で
住民票と戸籍の付票を集められるだけ集めても
登記簿に載っている住所にたどりつけない場合、
集めた住民票、戸籍の附票と
登記簿に載っている住所についての「不在籍不在住証明」と
権利書などを添付することになっています。

何度も転居したり本籍地を変えていた場合、
何か所もの役場から住民票などを取り寄せる必要があり、
思いがけず日数がかかることがあります。

他の書類がそろっていても、必要な住民票などがなければ、
住所変更登記ができず、
住所変更登記ができなければ、売却による所有権移転登記はできません。

遠方から住民票などを取り寄せないといけないために
売却の期日に間に合わないこともあり得ます。

ところで、住所変更に必要なもので、
最近、以前と比べて取り寄せに時間がかかるようになったものがあります。
そのことも含め、
続きは次回へ「住所が変わったとき、変更登記のことを忘れずに2」へ。

投稿者: 司法書士 本多寿之