「権利書を失くしたのですが、
どうすればいいでしょうか?」
時々お問い合わせをいただきます。

答えは「どうしようもない・・・」
と言っても悪い意味ではありません。

権利書は名義変更をしたときに
1回限り発行されますが、
失くしても再発行はされません。
しかし、権利書を失くしたからといって、
権利が無くなるわけではもちろんありません。
権利書が他人の手に渡っても、
権利書だけでは何もできません。
他に印鑑証明書と実印が必要です。
(ですから、これらと権利書は別々に保管しましょう。)

権利書は、さらに他の人に名義変更するとか、
銀行などから融資を受けるために
抵当権を設定するなどの登記の手続きに必要ですが、
そういうことがなければ必要となる場面はありません。

権利書が必要な登記手続きで、でも権利書がないときは、
無いなりの手続きがちゃんと準備されています。

数年前の法改正で、権利書は「登記識別情報」という
言わば暗証番号のようなものに代わりました。
(法改正前に発行された権利書はそのまま使用できます。)
権利書ならば世界に1つしかありませんが、
登記識別情報という文字情報であれば、
他人に知られると権利書を盗まれたことと同じことになります。
(他に、印鑑証明などがなければ何もできないのは権利書と同じです。)
そこで、登記識別情報は希望すれば最初から発行しないこと(「不通知」)、
発行されても途中で「失効」させることもできるようになっています。

権利書(法律上は「登記済証」)は、
自分に権利があることを証明する
唯一のもののように考えがちですが、
法務局の登記簿に権利があると記録(登記)
されているかどうかが重要です。
少し語弊はありますが、
権利書は一般に思われているほど重要なものではない・・・
とは言え、無くなったり盗まれたりすると、
不安ですしいい気持ちはしません。
やはり重要書類として大切に保管してください。

法務省ホームページQ&A http://www.moj.go.jp/MINJI/minji76.html

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