事務所ブログ

2012.12.02更新

※ 家族信託の解説動画を作成しました!

 基本的なしくみと代表的な活用例4つの5本立てです。

 是非ご覧ください。

 家族信託の動画(YouTubeチャンネルに移動します。)

 

家族信託について、
いろいろとお話してきましたが、
今日は、メリット・デメリット(注意点)をまとめてみます。

メリット


1 自分の生存中から死亡後まで、自由・柔軟な設定ができる

信託では、自分の生存中から、死亡時、そして死亡後まで
自分の財産の管理・承継について決めておくことができます。
その内容は契約などで、かなり自由に柔軟な設定ができます。


2 通常の遺言ではできないことが可能になる

通常の遺言では、自分の死後に発生した相続について、
財産を承継する者を指定することはできません。
信託では、契約などで定めれば、
自分の死後、受益権を承継した者が死亡したとき、
次に受益権を承継する者を指定でき、
自分の死後、信託が終了したときに財産を取得する者を指定できます。
(ブログ「受益者連続型信託」をご覧ください。)

また、信託は遺言の代わりを果たすこともできます。
(遺言代用信託・・・ブログ「信託と遺言」をご覧ください。)


3 倒産隔離機能がある

信託には、将来、自分や受託者が信託財産に関係のないことで
多額の債務を負っても、信託財産は差押えられないという
倒産隔離機能があります。
将来の万が一に対する備えになります。
(ブログ「倒産隔離機能について」をご覧ください。)
 


4 成年後見制度を補うことができる

成年後見人は、本人の判断能力が衰える前には
財産の管理はできません。
信託であれば、判断能力があるうちから、
自分の希望する人に財産管理を任すことができます。
もちろん、判断能力が衰えた後も、
受託者が財産管理を行うことができます。
(ブログ「高齢の自分に代わり、財産を管理して欲しい」をご覧ください。)

成年後見人が管理する財産からは、
原則として贈与したり投資したりすることはできません。
贈与したり投資したりするための財産を信託すれば、
本人の判断能力がが衰えた後も、
その財産から贈与・投資ができることになります。
(ブログ「将来、長男に住宅資金を贈与したいが・・・」をご覧ください。)


デメリット(注意点)

家族信託には特にデメリットはないと言われていますが、

勘違いしやすい点、注意すべき点をお話します。

 

1 成年後見、遺言でないとできないことがある

信託は財産について管理・処分など
必要な行為を行うものであることに対して、
成年後見は、民法で身上配慮義務を規定して
本人の財産管理のみならず、
身上監護をも念頭においている点が異なります。

信託契約の中に身上監護に関する規定を
定めることも可能ですが、
本人の名前で契約をする必要がある場合など、
本人の法定代理人である成年後見人でなければ
適切な身上監護ができない部分もあるでしょう。

(ブログ「高齢の自分に代わり、財産を管理して欲しい」をご覧ください。

また、未成年後見人の指定、子の認知などの身分行為は
遺言ではできますが、信託ではできません。
信託で遺言の代わりができないものがあります。


2 受託者を誰にするか

財産は受託者名義になりますので、

受託者として適切に財産を管理・処分できて

なおかつ信頼できる家族・親族がいるかどうかが

家族信託のポイントとなります。
 
また、受託者に財産の名義が変わってしまうことは、
受託者にとっては財産の管理がやりやすく、
委託者に判断能力があるうちから利用できるというメリットではありますが、
自分の財産が自分名義でなくなることに抵抗感を持つ人もおられるでしょう。
(ブログ「「受託者」とその監督」「受託者の責任と責任限定信託」をご覧ください。)


3 節税効果
 
信託は、それ自体に節税効果はありません。
逆に、受益者は財産を取得するのではありませんので、
財産を自由に使用、処分等ができないにもかかわらず、
財産を取得したものとして課税されます。
そういう意味では、税負担が重いと感じるかもしれません。
(ブログ「家族信託と税務1」「家族信託と税務2」をご覧ください。)

※判断能力が衰えても、贈与や不動産の購入ができる点で、
相続税対策に役立つ部分もあります。
(ブログ「将来、住宅資金を長男に贈与したいが・・・」をご覧ください。)


4 遺留分減殺請求との関係
 
自分の死亡後の財産を承継者を指定できますが、
遺言による遺贈ではないものの、
遺留分減殺請求の対象となることがあります。
(ブログ「受益者連続型信託と遺留分」をご覧ください。)

 

※ 信託の性質から、遺留分の減殺請求の対象とならない

 という見解もあります。ブログ「家族信託と遺留分」をご覧ください。
 
信託は、もちろん万能のものではなく、
できないこともあります。
 しかし、信託を検討することで
選択肢が一つ増えることは間違いありません。
それぞれの事情にあてはめた結果、
信託が最適な財産管理・承継の方法となる、
そんな可能性を信託は持っていると思います。


財産の管理・承継について、遺言・相続のご相談、
家族信託(民事信託・個人信託)の設計・契約・運営のご相談は
北九州市小倉の角田・本多司法書士合同事務所までご連絡ください。

投稿者: 司法書士 本多寿之