事務所ブログ

2017.12.25更新

家族信託の動画「⑤自己信託~贈与後も財産管理~」

(YouTubeサイトに移動します。)

⑤自己信託

 

通常の「贈与」は、贈与の対象となった物に

担保が設定されているなどのことがない限り、

贈与を受けた者(受贈者)がその物について

何の制限もない所有権を取得します。

 

つまり、もらってしまえば、もらった者(受贈者)が

使おうが、捨てようが、売ろうが、好きにできます。

(排他的権利とも呼ばれます。)

 

最近、相続税対策などで贈与が注目されているようですが、

贈与も契約の一種で、あげる者(贈与者)ともらう者(受贈者)の

意思の合致によって成立します。

 

あげる方が一方的に「あげた」と言っても贈与は成立しません。

つまり、もらう方は当然、財産を贈与された事実を知っている、

財産が自分の所有となったことを知っているわけです。

 

自分の物になったから、自分の好きにします!

と、売ったり、使ったり、好きにしても誰も文句は言えません。

排他的権利である所有権はもらった者(受贈者)に移っているからです。

 

動画のように、株式の議決権の行使についても同じで、

息子は株を全部もらった以上、株主総会で社長である父の解任決議も可能です。 

 

 

自己信託(信託宣言)自己信託(信託宣言) 

青い線

そこで、「自己信託」を利用するのですが

自己信託は見方によっては不思議な信託で

委託者=受託者、つまり、見た目は財産の移動も

名義の変更もありません。

 

動画の例では、株を信託財産、父が委託者兼受託者、 

息子を受益者にしています。

 

信託では、譲渡税、贈与税、相続税については

受益者が財産を所有しているものとして

課税されます。(受益者等課税)

(※ ブログ「家族信託と税金」をご覧ください。)

 

ですので課税上は、信託によって株の所有は父から息子に移った、

つまり、株が父から息子に贈与されたとして取り扱われます。

 

しかし、父は受託者ですので、信託財産である株は

父が引き続き管理をすることになります。

そして、株の議決権行使は管理行為に含まれると考えられ

父が引き続き議決権の行使ができます。

(解任される心配がなくなります。)

 

課税上は株価の安いうちの贈与として取り扱われ、

肝心の議決権は父が握っておくことができるのです。

 

動画の④まででご紹介した信託は、

委託者と受託者の契約で成立するものでしたが、

自己信託は委託者=受託者ですので契約ではありません。

一人でするということで「信託宣言」とも呼ばれます。

 

そして、自己信託(信託宣言)は公正証書で行うのが原則です。

 

税金の世界には「名義株」「名義預金」という言葉があるそうです。

株やお金を贈与したと、名義だけ変えておいて、

実際はもらった方は知らない、つまり贈与契約は成立してない場合、

あげた方が死亡して相続税の調査をされたときに、

「名義株」「名義預金」は贈与が成立していないとして、

遺産に含まれる、相続税の対象となるということがあるそうです。

 

しかし、自己信託の場合、株や預金の名義は受託者、

つまり、あげた方のままです。

しかし、公正証書で日付と受益者がはっきりしますので、

相続税の調査があっても、信託を設定した時点での受益者への

贈与として取り扱われ、相続税の対象となりません。

(設定時、贈与税の対象にはなります。)

 

自分で自分に財産を託する自己信託・・・

少し不思議に思われるかもしれませんが

このような活用方法が考えられます。

 

※ その他の動画(YouTubeサイトに移動します) 

 

 

 

 

投稿者: 司法書士 本多寿之

2017.12.22更新

家族信託の動画「④共有状態解消」

(YouTubeサイトに移動します。)

家族信託の動画「④共有状態解消」

 

 

不動産の共有はおすすめできません

青い空

動画でもお話ししていますが、

財産、特に不動産の共有はおすすめできません。

(ブログ「不動産の共有」をご覧ください。)

 

不動産全体を売却する、

老朽化した建物を解体するなどの処分行為は、

共有者全員の同意が必要です。(民法251条)

 

※ 民法251条の「変更」には管理以外の

処分行為が含まれていると解されています。

 

共有状態が続くと、共有者が死亡して相続が発生し

例えば兄弟姉妹の共有 → いとこ同士の共有 → さらにその下・・・

と、疎遠な人同士の共有となり、人数も増えてきます。

そうすると、認知症の人や「争族」でもめている人が現れたりして

もはや全員の同意をとることは難しく

売るに売れない、壊すに壊せない不動産が生まれてしまいます。

 

※ 空き家問題の多くは、所有者が死亡してもそのまま放置され

相続人が子 → 孫 → ひ孫と代替わりして、実質的に多人数の共有状態となり、

全員の同意がとれないことが原因の一つとなっています。

 

そもそも賃貸不動産であれば、すぐに売ったり壊したりしないでしょう。

しかし、共有状態が続けば将来、トラブルが起きそうです・・・

 

 

「共有状態解消」信託

 青い線

そういうときでも、全員が同意できる時点であれば

家族信託でトラブルの予防が考えられます。

 

共有状態解消 

 

動画の例では、共有者の子どもの一人を受託者、

共有者全員を委託者兼受益者として

共有不動産を信託財産としています。

 

不動産の名義は受託者一人に一本化され

管理・処分の権限を与えておけば、

元共有者である委託者(受益者)の同意なしで

受託者が単独で売買などを行えます。

 

委託者(受益者)の一部が認知症になったり、相続でもめたりしても、

受託者が単独で売買などができることに影響はありません。

 

元共有者の受益者は信託契約の規定などに基づき、

代金・賃料の分配を受けることになります。 

 

受託者の一存で売却できるのに抵抗を感じるのであれば

例えば、売却には受益者(受益権)の過半数の賛成が必要などと

信託契約で定めることも可能です。

 

なお、受益者に対する金銭の分配は

現物の不動産そのものを分けるよりは簡単ですが、

受益者が増えると、認知症、争族、行方不明などの受益者が現れ

利益の分配に問題が発生するかもしれません。

 

そういった場合に受託者はどのように対応したらよいか

信託契約で規定しておけば、信託財産や受託者が無用なトラブルに

巻き込まれることを防げると考えられます。

 

※ もちろん、最初の時点でできるのであれば

共有を回避するのが最善の方法と思います。

 

ブログ「共有状態解消信託~研修会から~」 もご覧ください。

 

その他の動画(YouTubeサイトに移動します)

 

 

 

投稿者: 司法書士 本多寿之

2017.12.21更新

家族信託の動画「③受益者連続信託~遺言を超えて」

(YouTubeサイトに移動します。

動画③受益者連続

 

動画でも触れていますが、遺言で指定できるのは、

遺言者が死亡した時点での遺言者の財産の承継についてで、

遺言に基づき財産を承継した者が、その後、死亡したときの

財産の承継について指定しておいても効力はないと解されています。

 

動画の例では、夫が遺言でできるのは、自分が死亡したときに

自宅を妻に相続させると指定することまでです。

 

そして、子のいない妻が夫から相続した財産は

妻が死亡した時点で、妻に父母、祖父母など直系尊属がいない場合は

妻の兄弟姉妹(先に死亡している場合はその子)が相続人です。

 

遺言代用信託

青い線

動画で紹介した家族信託は、弟の息子が受託者ですから、

自宅不動産は弟の息子の名義になります。

 

しかし、動画「①基本的なしくみ」でも触れたように

信託において信託財産の実質的な所有者は受益者と考えられます。

  

この例でも、夫と妻がそれぞれ存命中は安心して自宅に住めることを

目的として信託を設定していますので、受益者である夫と

夫の配偶者である妻は当然自宅に住むことができます。

 

ところで、信託において受益者が死亡した場合、

信託契約などに何も定めがなければ、死亡した受益者の受益権は

通常の財産と同じ相続の対象として取り扱われます。

 

これに対して、信託契約などで「受益者Aが死亡した場合、

Bが受益権を取得する」と、次の受益者を指定しておくことができます。

 

動画の例で言えば、信託契約で「夫が死亡したら、

妻が受益権を取得する」と定めておけば、

夫の死亡後も妻は受益者として自宅に住むことができます。

 

つまり、夫が、自分が死亡したら自宅は妻が相続すると

遺言を書くことと同じことになります。

 

信託が遺言の代わりになるということで

「遺言代用信託」と呼ばれています。

 

受益者連続信託

青い線

遺言でできるのはここまでですが、

夫と弟の息子の信託契約の中で、「妻が死亡した場合、弟の息子が

受益権を取得する」と、さらに次の受益者を指定しておくことができます。

 

このように、最初の受益者が死亡した場合の次の受益者、

その受益者が死亡した場合のさらに次の受益者・・・

と、最初の契約などで、次々と受益者を指定しておく信託を

「遺贈型受益者連続信託」と呼びます。 

受益者連続 

 

このしくみを利用すれば、

例えば、熟年再婚で夫の財産を、実の息子を受託者として、

受益者を①夫 → ②再婚した妻 → ③実の息子と

最初から契約で指定しておけば、再婚した妻と実の息子には

養子縁組をしない限り相続関係はありませんが、

実の息子が最終的に残った財産を承継できます。

 

この受益者連続のしくみは、信託の非常に特徴的なしくみで

このしくみの利用のためだけでも、信託は検討する価値があると思います。

 

受益者連続信託については、次のブログ記事もご覧ください。

ブログ「受益者連続型信託

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿者: 司法書士 本多寿之

2017.09.30更新

家族信託の動画「②認知症対策~自宅売却に備えて」

(YouTubeサイトに移動します。)

 動画②認知症対策

  

動画でも解説していますが、

認知症などで判断能力(意思能力)を

欠いた人のした契約は無効となります。

 

判断能力がなくなってからできることは

家庭裁判所に成年後見人を選任してもらうことです。

(以下、財産管理などをしてもらう人を「ご本人」と呼びます)

 

1 成年後見制度

青い線

 

成年後見制度は、判断能力を欠いたり衰えたりした人の

権利や財産を守るための重要な制度です。

高齢化社会の日本においてなくてはならない役割を果たしています。

 

その一方で、支出は必要最小限に、リスクは避けて、

財産を減らさないようにと、言わば「守り」に徹する傾向があります。

これは、ご本人が十分に意思を表示できない以上、仕方ない

ある意味、当然のことでもあります。

 

それがゆえに、「成年後見人が付くと、財産が凍結される」

(実際は凍結されません)と感じたり、

最近は司法書士・弁護士などの第三者が後見人に

選任されるケースが増えていますが、抵抗を感じる人もいます。

 

また、自宅の売却も、売却の必要性があり金額も妥当と

後見人が判断した上で、さらに、家庭裁判所の許可が必要で

親族の思うとおりにならないこともあります。

 

繰り返しになりますが、このような取り扱いはご本人の意思を確認できない以上、

当然であり、これが適切な運用だと思います。

きっと、ご本人が元気なら「誰も住まないならさっさと売りなさい」

と、言ってくれたに違いないとしても・・・

 

2 ご本人に判断能力があるうちなら

青い線

 

ご本人に判断能力があるうちなら、財産をこのように管理してほしい、

処分してほしいという考えや想いなどの意思を表示して

それを実現できる方法が考えられます。

 

その方法の一つが「任意後見制度」です。

裁判所に選任してもらう「法定後見」に対し、

「任意後見」は「自分に判断能力がなくなったら、

この人に後見人になってほしい」と「この人」と

公正証書で「任意後見契約」を結ぶことで成り立ちます。

 

契約ですので両者が合意すれば、どこまで任せるとか、

どのように財産を管理・処分してもらうかなど

比較的自由に決めておくことができます。

自宅の売却も権限を与えれば、裁判所の許可は不要です。

 

ただし、後見人として財産管理等ができるのは、

本人の判断能力がなくなって、家庭裁判所が監督人を選任してからです。

後見人となってからは監督人の監督下に置かれ、

裁判所が監督人から報告を受けますから、

結局、後見人は間接的に裁判所の監督下に置かれます。

 

監督人には司法書士、弁護士などの専門職が就任しますので、

ご本人の財産から報酬を支払う必要があります。

 

そして、別の方法の一つが「家族信託」です。

動画でも解説しているように、信託する財産は受託者名義になりますので

受託者に管理・処分の権限を与えておけば、

ご本人に判断能力があってもなくても後見人が選任されていても

受託者自身が売主となり、権限に従って自宅の売却ができます。

 

動画②認知症対策

 

3 それぞれ異なる点や特徴

青い線

 

このように、後見制度はご本人の判断能力がなくなってから

後見人として財産管理等を開始できるのに対し、

信託であれば、受託者は即、財産の管理等を始められます。

(任意後見の場合、任意代理の委任契約を併用して対応することもあります。)

 

信託で管理・処分の対象となるのは信託した財産に限られ、

その後、取得した年金などの金銭や財産は

新たに信託財産に組み入れなければ、受託者は管理できません。

(ご本人が「信託財産に組み入れる」と意思を表示できる判断能力が必要です)

また、信託財産と関係のない契約をご本人の代理人として結ぶこともできません。

 

これに対し、法定後見の後見人はもちろん、

任意後見の後見人も契約で定めた権限内であれば、

後見人に就任した後にご本人が取得した財産の管理処分や、

さまざまな契約行為もできます。

 

後見人は直接的・間接的に裁判所の監督下に置かれますが、

信託の受託者を監督するのは受益者です。

(信託契約で信託監督人を置くことは可能です。)

 

これらそれぞれを、いい点と考えるか、悪い点と考えるかは

ご本人の考えや状況によると思います。

 

すぐに財産管理を全面的に任せたいか、

誰が監督することを望むかなど・・・

 

一部の財産は信託で売却をし易くておいて、

その他の財産の管理や将来の契約に備えて

任意後見契約も結んで両者を併用するなど・・・

 

ご本人に判断能力があるうちであれば、

ご本人の考えや状況に応じて、

家族信託や任意後見などでの対策を検討することが可能です。

 

その他の動画(YouTubeサイトに移動します)

 

 ホームページ「家族信託」のページもご覧ください。

投稿者: 司法書士 本多寿之

2017.09.30更新

※ 家族信託の動画「①基本的なしくみ」

(YouTubeサイトに移動します。)

 動画①基本的なしくみ 

 

動画で説明しているとおり

信託には委託者、受託者、受益者が登場します。

(ただし、一人二役ができる場合もあります。)

 

信託は主に委託者と受託者の契約で成立します。

(信託法3条2号、4条1項)

 

信託財産は受託者名義となりますが、

通常の「預ける」行為や「あげる」贈与などとは

下記のような異なる点があります。

 

① 受託者は信託の目的の達成のために

必要な権限を有します。信託契約で制限を

加えることも可能です。(信託法26条)

 ※ 受託者の好き勝手にできる訳ではありません。

 

② 受託者は受託者の立場で信託財産から利益を受けることはできません。

(利益享受の禁止 信託法7条)

 

③ その一方で、受益権を有する受益者が、信託財産から

利益の給付等を受けることができます。(信託法1条6項7項)

 

つまり、信託財産の見た目の所有者は受託者ですが

受託者は信託契約などに従い管理・処分する権限

(「義務」とも言えます)を有するのみで

財産から生じる利益は受益者が受けることになります。

 

このことから、

受益者が財産の実質的な所有者と言われたりします。

 

動画①基本的なしくみ

 

ところで、平成18年の信託法改正までは、

もっぱら信託銀行・信託会社などが受託者となる

「商事信託」が主でしたが、法律が全面的に見直され

整備されたことで、個人が受託者となる「民事信託」の

利用がし易くなりました。

 

 そして、家族や親族が受託者となって「家族信託」を活用することで

家族や親族内で財産の管理や承継を円滑に行い

トラブルを防ぐという活用もし易くなりました。

 

代表的な活用方法は、動画の②から⑤でご紹介しています。

その他の動画(YouTubeサイトに移動します)

 

※ 「家族信託」は一般社団法人法家族信託普及協会の登録商標です。

本ブログ著者は同協会の会員であり、同協会と同じ趣旨で「家族信託」

という言葉を使用しています。

 

ホームページ「家族信託」のページもご覧ください。

 

投稿者: 司法書士 本多寿之

2017.09.28更新

家族信託についての解説動画を作りました。

本多がフリップやスライドを使って解説します。

コンパクトにまとめて(1本あたり約3分~3分半)、

やわらかめの内容にしています。

 

信託の基本的なしくみの解説と、

代表的な活用方法4つを紹介した、計5本立てです。

(以下のリンクはYouTubeサイトに移動します)

① 基本的なしくみ

② 認知症対策

③ 受益者連続~遺言を超えて

④ 共有状態解消

⑤ 自己信託~贈与後も財産管理

 

また、それぞれの動画について

以下のブログでさらに詳しく解説しています。

(ブログは一部準備中です)

 

家族信託の動画「①基本的なしくみ」の解説

家族信託の動画「②認知症対策」の解説

家族信託の動画「③受益者連続信託」の解説

家族信託の動画「④共有状態解消」の解説

家族信託の動画「⑤自己信託」の解説

 

ホームページ「家族信託のページ」もご覧ください。

 

 

投稿者: 司法書士 本多寿之

2017.06.02更新

ときどき受ける質問です。

「うちの会社の定款を〇〇に提出しなければ

ならないのですが、どこで発行してもらえますか?

法務局ですか?公証役場ですか?」

 

定款はどこに?

 

確かに、株式会社を設立するときは

公証役場で認証が必要で、

認証を受けた定款には公証人の印鑑が押してあります。

 

(現在は電子定款を作成しますが、

確認やどちらかへの提出のため

紙で「同一情報提供」をしてもらうい

それには公証人の証明文言の紙がつづられています。)

 

ですので、公証役場から発行してもらった

という感覚になるのかもしれません。

 

または、会社成立後は、法務局で会社の登記事項証明書、

印鑑証明書を発行してもらうので

やはり定款も法務局で発行と思われるかもしれません。

 

しかし、現在の定款は公証役場でも法務局でもなく

会社にあるのです!・・・というか

なければならないのです。

 

会社法第31条1項 抜粋

(定款の備置き及び閲覧等)
・・・(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)は、・・・

(株式会社の成立後にあっては、その本店及び支店)

に備え置かなければならない。

 

定款はその会社に備え置いておくものなのです。

では、公証人や法務局の印鑑は押してなくていいの?

という疑問がわくかもしれませんが、

公証人が認証するのは設立時の定款(原始定款)のみです。

 

会社成立直後は、公証人の印鑑が押した定款

(のコピー)を提出するでしょうけれど

その後に、どちらかに提出する定款に印鑑を押すとすれば

それは会社の実印(法務局届出印)です。

 

会社成立後に、定款の内容に変更があった場合は、

会社に備え置いている定款の内容を書き換えて

引き続き会社で備え置いておくのです。

 

定款変更で登記が必要な事項は法務局で手続きをしますが

これは、会社の登記簿を変更する手続きです。

法務局に変更後の定款が保存されるものではありません。

 

会社法には、株主や会社の債権者から請求があれば

定款を閲覧させなければならない旨の規定があります。

どちらかに提出する必要がないときでも

定款は常に会社で準備して

備え置いておく必要があるということです。

 

会社・法人の設立、役員の変更、住所の変更

その他会社法人の登記手続きは

角田・本多司法書士合同事務所までご連絡ください。

 

投稿者: 司法書士 本多寿之

2017.03.06更新

前回、前々回に引き続き、家族信託が取り上げられた

2月28日NHKテレビのクローズアップ現代+について

私なりの補足をしたいと思います。

 

「(認知症が)重症になってしまうと、…

(資産が)一切凍結したら、そういうもの(マンション)を

売ったりとか、お金を使ったりできなくなってしまう。」

 

→ 成年後見制度を利用すれば、一切できないわけではありませんが、

できるのは必要最小限で、制約も多いです。

 

認知症などで、判断能力がない人のした契約は無効です。

売買などの契約やお金の支出も無効、

つまり財産は凍結されたのと同じ状態になります。

 

しかし、成年後見人が選任されれば、

成年後見人が判断能力の衰えた本人に代わって

契約をしたり、必要なお金の支出をしたりできます。

 

それでも、裁判所や監督人の監督下で、

本人にとって必要最小限の妥当な金額の範囲に限られます。 

 

本人の意思が確認できない以上、

これはしょうがないことでもありますが、

制約が多いため、結局「財産を凍結される」と

感じる人が多いのも事実です。

 

しかし、元気なうちに信託で家族に財産を託しておけば

本人に判断能力がなくなっても、信託契約などに込められた

本人の意思に基づき財産の管理ができます。

 

例えば、居住用の不動産の売却でも

信託されていれば裁判所の許可は不要です。

その他、場合によっては金銭の贈与も可能です。

(ブログ「将来、長男に住宅資金を贈与したいが…」をご覧ください。)

 

信託を設定した後に、本人の判断能力が衰えても

信託契約の中に凍結された本人の意思が

ずっと財産管理の指針として生き続けるので

財産は凍結されません。

これは、信託の「意思凍結機能」と呼ばれたりします。

 

意思凍結機能

(昨年本多が講師を務めた研修会資料より)

 

信託した場合でも信託契約による制約は受けますが

必要に応じて、管理しやすいように、

売却などしやすように決めておけば

「凍結される」と感じずにすむと思います。

 

繰り返しになりますが、

信託は元気なうちにしかできません。

判断能力がなくなってからは

成年後見制度を利用せざるを得ません。

 

テレビを見られた方は、この機会に

ご家族の方と話し合われてはいかがでしょうか。

 

家族信託、成年後見、財産管理・承継のご相談は

小倉北区の角田・本多司法書士合同事務所までご連絡ください。

 

 

 

 

 

 

 

投稿者: 司法書士 本多寿之

2017.03.03更新

前回に引き続き、家族信託が取り上げられた

2月28日NHKテレビのクローズアップ現代+について

私なりの補足をしたいと思います。

 

「家族信託では、関係者全員が話す場を作るのがルール。」

 

→ もちろんそれが理想ですが、財産を託す・遺す人の

意思を優先させることもできます。

 

例えば、親と子全員が、親の財産について

今後の管理や承継について話し合い

信託を設定できれば理想的です。

(遺言作成の場合でも同じだと思います)

 

しかし、親が、親孝行の子と親不孝の子に差をつけたいと思ったとしても

それはそれでおかしな話ではないと思いますが、

差をつけられた子は同意しないかもしれません。

 

その場合でも、財産を遺す親の意思を優先して

親と一部の子のみの話し合いで信託契約を結ぶことは可能です。

(これも親の意思のみで遺言を作成できるのと似ています)

信託は委託者と受託者の2者の契約で成立します。

信託契約

 

差をつけられた子はいい気持ちはしないかもしれません。

しかし、後にトラブルになるのは、遺言も信託もしないで

親の死亡後、子がお互いに自分の主張をぶつけ合うときだと思います。

 

遺言や信託で親の意思が示されていれば、

不本意でも子は従うこともあると思います。

 

番組の中でも、遺言について

「ないよりあったほうが絶対いいと思います。」とコメントされていました。

これは信託についても同じです。

 

家族全員が納得できるよう努力は必要でしょうが、

それができないとき、何もしないよりは

遺言や信託で自分の意思を遺しておく方が

後のトラブルを防げる可能性はずっと高いと思います。

 

遺言も信託も判断能力がなくなってからはできません。

元気なうちに考えてみてはいかがでしょうか。

 

次回に続きます。

投稿者: 司法書士 本多寿之

2017.03.01更新

2月28日NHKテレビのクローズアップ現代+で

「さらば 遺産“争族”トラブル 家族で解決!最新対策」と題し

家族信託が取り上げられました。

 

テレビで家族信託が取り上げられたことは

画期的だと思いますし、このすぐれた仕組みが

必要な方に利用されることが期待されます。

 

番組は25分間という限られた時間で、

当然、伝わる情報量にも限りがありましたので、

私なりに補足したいと思います。

 

信託のしくみ

 

「遺言が、亡くなったあとにしか効力を発揮しない一方で

家族信託は親が生きているときから相続のときまで

続けて機能するのが大きな特徴です。」

 

→ さらにその後の財産の管理・承継についても

引き続き機能させることができます。

 

家族信託は、死亡する前の財産管理について

機能させることができるのも大きな特徴ですが、

死亡した後の財産の管理方法や、

さらにその後の相続による承継について決めておくことができます。

遺言などとの比較 

遺言で指定できるのは、

例えば自分が死亡したら財産はAに承継させる

という、自分が死亡した時点のことだけですが、

その後にAが死亡したら実質的にBに承継させる、

Bが死亡したら実質的にCに承継させる・・・

 という遺言ではできないことが、家族信託では可能になります。

もちろん、その間の財産の管理方法についても決めておくことができます。

 (ブログ「受益者連続型信託信託」をご覧ください)

 

受益者連続

 

この機能だけでも、信託を利用する価値はあると思います。

(この機能を活用した例

 ブログ「先祖代々の家と土地を妻→弟の長男と引き継がせるには」をご覧ください)

 

 続きは次回へ。

投稿者: 司法書士 本多寿之

前へ 前へ