事務所ブログ

2011.05.25更新

前回の続きです。

今回は、遺言がある場合の必要書類です。

まず、不動産がわかる資料です。
これは遺産分割協議をする場合と同じです。


被相続人について必要な書類

1 遺言

公正証書遺言ならそのままで使えますが、
自筆証書遺言なら、裁判所で検認の手続きが必要です。

2 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本

被相続人が死亡して初めて遺言は効力を有します。
被相続人の死亡を証明するものです。


不動産を取得する人に必要な書類

1 戸籍謄本または抄本

不動産を取得する人は生存している必要があります。
また、遺言に「長男○○に相続させる」と書いてある場合、
戸籍には父母の氏名と長男か長女かなども記載されていますので、
遺言の「長男○○」に違いないことが証明できます。

2 住民票

登記簿に記録される住所・氏名の根拠となるものです。


以上が、必ず必要となる書類です。
事情によっては、さらに他の戸籍などの書類が必要となることがありますが、
少なくとも、遺産分割協議をした場合と違って、
他の相続人から、実印や印鑑証明書をもらう必要はありません。

やはり、遺言があると、手続がスムースにできます。
遺留分の問題は残りますが、
遺言があれば、まずはその内容どおりに手続ができます。

投稿者: 司法書士 本多寿之

2011.05.24更新

相続登記の必要書類については、
「よくある質問Q&A」でも触れていますが、
今回から2回にわたって、ご説明します。

今回は遺産分割協議をした場合です。

まず、相続登記をする不動産がわかる資料です。

どの不動産について手続をするかわからなければ、
法務局での手続ができません。

固定資産税の評価証明書、名寄帳、権利書などです。


以下、被相続人と相続人について必要な書類をご説明します。


被相続人(亡くなった方 遺産の所有者)について必要な書類

1 被相続人が10歳くらいから死亡するまでのすべての戸籍(除籍)謄本

相続権があるのは誰なのか、それを証明するために必要です。
10歳くらいからというのは、10歳くらいから生殖能力がある、
つまり子供がいる可能性があると考え、
10歳くらいからの戸籍で子供のいるいないを証明するものです。


相続人(相続権のある人)について必要な書類

1 現在の戸籍謄本または抄本

その相続人が現在生存しているかなどを証明するものです。

2 遺産分割協議書(相続人全員が実印を押印したもの)

相続人全員で遺産をどのように分けると決定したか、
遺産分割協議の内容を証明するものです。
協議書については司法書士が作成できます。

3 相続人全員の印鑑証明書

遺産分割協議書に押印した印鑑が
本当にその本人の印鑑かを証明するものです。

4 遺産を取得する相続人の住民票

登記簿には住所・氏名が記録されます。
その根拠となる書類になります。


以上が、必ず必要となる書類です。
以上の書類には有効期限がありません。
他の手続きならば、印鑑証明書などは3ヶ月以内だったりしますが、
以上の書類の戸籍、印鑑証明書、住民票には有効期限がありません。

また、以上の書類以外にも、
それぞれの事情や集めた書類の内容によって、
他の書類が必要となることがあります。

戸籍については、ご依頼いただければ、
司法書士が集めることもできます。
(不動産を取得する人も集めることができます。)

そうすると、不動産を取得する相続人が、
取得しない相続人から必ずもらわないといけないものは、
1 遺産分割協議書に署名と実印の押印
2 印鑑証明書  です。
この二つをもらえれば、あとは自分(と司法書士)で書類を集めて、
相続登記ができます。

次回は、遺言があった場合の必要書類です。



北九州市 門司区 小倉北区 小倉南区 戸畑区
若松区 八幡東区 八幡西区にお住まいの方で
相続 遺言 遺産分割 名義変更登記のご相談は
角田・本多司法書士合同事務所までご連絡ください。


投稿者: 司法書士 本多寿之

2011.05.19更新

遺言で指定された結果、
一定の割合以下の遺産しかもらえなかった相続人が、
一定の割合まではもらえることを主張できます。
この「一定の割合」を遺留分といいます。

遺留分は誰が相続人になるかで決まっています。
(兄弟姉妹には遺留分はありません。)

1 直系尊属(父母・祖父母・・・)のみが相続人のときは、法定相続分の3分の1

2 それ以外の者が相続人のときは、法定相続分の2分の1

下の図は「法定相続分の話」で使った図です。


もし、死亡した夫が「全財産を長女に相続させる」という遺言を残していた場合、
もらえない相続人は自分の法定相続分の2分の1、
上の例では、青字の2分の1ですから、

妻は4分の1、
二女は12分の1、
長男の子は1人あたり36分の1


の遺留分があり、自分に権利があることを主張できます。

つまり、遺留分の主張をされると、
遺言どおりに遺言者の意思が実現しないこともあるのです。


それでは遺言しても意味がないじゃないか、と思われるかもしれません。

しかし、遺留分は自分に権利があると主張して初めて認められます。
つまり、黙っていても権利は生まれません。

また、遺留分の主張は、遺言者の死亡後、
自分が遺留分を下回る遺産しかもらえないと書いた遺言の存在を
知ってから1年間経過するとできなくなります。
また、遺言者が死亡して10年経過したときも同じです。

ということは、遺言者の死亡後、
遺言のことを知って1年以内に遺留分の主張をしなければ、
結局、遺言のとおりになるのです。

また、遺言がある以上、
それに従おうという気持ちになることも多いのではないでしょうか。

そもそも、兄弟姉妹には遺留分がありませんので、
子供も直系尊属(父母・祖父母・・・)もいない人が、
配偶者に全部相続させると遺言すれば、
兄弟姉妹は手出しできません。

遺留分のことを考えると、
遺言も100%ではない部分もありますが、
でも、あればトラブル防止の役に立つことも多いと思います。

投稿者: 司法書士 本多寿之

2011.05.17更新

相続で、遺言もなく、遺産分割協議もしないうちは、
遺産は法定相続分によって共有となりますが、
今日は、法定相続分の割合についてです。

これは、誰が相続人となるかで決まります。

1 配偶者と子供が相続人の場合

配偶者 2分の1  
子  供 2分の1(数人いれば均等 ※)

2 配偶者と直系尊属(父母・祖父母)が相続人の場合

配偶者   3分の2
直系尊属 3分の1(数人いれば均等)

3 配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合

配偶者   4分の3
兄弟姉妹  4分の1(数人いれば均等 ※)

※ 現在の民法では、嫡出子(両親が婚姻している)と非嫡出子の間、
全血(父母を同じくする)の兄弟姉妹と
半血(父か母の一方だけが同じ)兄弟姉妹の間では、
嫡出子・全血の兄弟姉妹 2 : 1 非嫡出子・半血の兄弟姉妹の
割合になります。

被相続人よりも先に子供が死亡していたときは、
その子供(孫)が相続人になります。(代襲相続)

その子供(孫)の法定相続分は、
先に死亡した子供の法定相続分と同じで、
数人いたときは均等です。

例えば、被相続人には妻と子供が3人いましたが、
子供のうち長男が先に死亡しました。
長男に3人子供がいた場合、
法定相続分は下記の図のとおりです。

青字が相続人と法定相続分です。



注意すべきところは、
長男の子供は、長男の法定相続分6分の1を
3人で均等に分けるというところです。

また、緑字の長男の妻、二女の夫と子供は
現在は相続人になりません。
(もし、遺産分割協議をしないうちに二女が死亡すると、
その夫と子供も相続人になります。)
 → 数次相続


遺産分割協議をすれば、法定相続分と異なる割合で
遺産を分けることができますが、
法定相続分は遺産分割協議をするときの
目安になることも多いと思います。

上の図で、現在でも遺産は相続人6人の共有です。
時間が経てばもっと増えるでしょう。
やはり、早めに遺産分割協議をして、
共有状態を作らないようにする方が好ましいと思います。


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投稿者: 司法書士 本多寿之

2011.05.10更新

前回の続きです。
死亡した夫には遺産について、
血縁のない長男の嫁には相続権はありません。
しかし、そのまま放置しておくと、事情が変わってきます。














 


数次相続(すうじそうぞく)

上の例で、夫が死亡して、その時点で相続人が妻と長男でした。
しかし、遺産分割協議をしないまま放置しているうちに、
長男が死亡してしまいました。
長男には妻と、子供が2人います。

長男の死亡後、必要が生じて夫名義の土地を相続登記しようとすると、
その時点での相続人は、妻と、長男の妻・子供2人です。
もし、妻名義にしようと思えば、長男の嫁からも印鑑をもらわなければならない・・・

夫と血縁のない長男の嫁がなぜ相続人に?

これは、夫が死亡した時点で長男に相続権がありましたが、
長男が死亡したことで、長男が持っていた相続権が、
長男の相続人である、長男の妻と2人の子供に引き継がれたためです。


このように、最初の相続の後、相続人が死亡して次の相続が発生することを数次相続といいます。
数次相続になると、結果的に血縁のない者が相続人になることがあります。

上の例で、妻が土地を自分名義にしたければ、
長男が生きているうちに、長男と2人で遺産分割協議をして、
自分名義にしておけばよかったのです。
(もちろん、長男の嫁と仲が良ければ問題ないのでしょうけれど・・・)

遺産分割協議をしないで放置しておくことは、
法定相続分での共有状態を招く、
数次相続によって、血縁のない者が相続人になる、
相続人の人数が増えるなど、
トラブルの原因となりそうなことが増えるもとです。

できれば、相続が発生した都度、遺産分割協議をしておいた方がよいと思います。


ブログ内の関連記事

 「法定相続分の話」
 

投稿者: 司法書士 本多寿之

2011.05.09更新

前回は、相続において、遺言がある場合、
遺産分割協議をした場合などでご説明しましたが、
今回は、そもそも誰に相続権があるのか、
相続人の範囲について、ご説明したいと思います。

(といっても、ご存知の方も多いかもしれません。)

まず、亡くなった方(被相続人)に配偶者がいれば
配偶者は必ず相続人になります。

同時に子供がいれば子供が相続人になります。

子供がいなければ、父母が、父母がいなければ祖父母が・・・
と直系で上(直系尊属)に向かっていきます。

子供も直系尊属もいなければ兄弟姉妹が相続人となります。

つまり、組合せとしては、
1 配偶者と子  2 配偶者と直系尊属  3 配偶者と兄弟姉妹
                                                                                
 の順です。

ですから、例えば子供と兄弟姉妹が当時に相続人になることはありません。
また、配偶者が死亡していれば、
1 子のみ  2 直系尊属のみ  3 兄弟姉妹のみ が相続人です。

代襲相続(だいしゅうそうぞく)

ところで、子供や兄弟姉妹が、被相続人より先に死亡していた場合、
さらにその子供が相続人となります。

これを代襲相続(だいしゅうそうぞく)といいます。
つまり、被相続人からみれば、孫やおい・めいが相続人になることがあります。

このことを、上に書いた組合せに補足すると、
1 配偶者と子
   死亡している子がいる場合はその子(孫)
   その子(孫)が死亡している場合はさらにその子
                         (ひ孫)・・・と続きます。

2 配偶者と直系尊属

3 配偶者と兄弟姉妹

   死亡している兄弟姉妹がいる場合はその子
                                                  (おい・めい)

 ※ その子(おい・めい)が死亡していても、おい・めいの子や孫は相続人ではありません。


このように、相続人は配偶者と血縁のある親族です。
(養子・養親は血縁のある親子と同じ扱いです)

ですから、血縁のない親族、例えば、自分の夫の遺産について、
自分の長男の嫁には相続権はありません。

しかし、これは被相続人が死亡した時点でのお話です。
遺産分割協議をしないでそのままにしていると、
結果的に、血縁のない親族が相続人となることがあります。

これについては、次回お話します。


ブログ内の関連記事 

  「法定相続分の話」

投稿者: 司法書士 本多寿之

2011.05.06更新

相続について、遺産は誰ものになるのかは、どうやって決まるのか、
遺言、遺産分割協議のあるなしでご説明します。

1 遺言がある場合

有効な遺言がある場合は、その遺言の内容に従います。

遺言の内容で多いパターンのひとつとして
「遺産のうち、○○は妻に相続させる。□□は長女に相続させる。」
「相続させる」という言葉を使ったものがあります。

遺産をどういうふうに分けるか、遺産ごとに指定がされていますので、
その指定に従うことになります。

※ 遺言で、遺産を一定の割合以下しかもらえなかった相続人は、
一定の割合までもらうことを主張できます。

この一定の割合を遺留分(いりゅうぶん)と言います。
次の機会にご説明したいと思います。


2 法定相続分

遺言がなくて、遺産分割協議もしていない場合、
遺産は法定相続分で所有が決まります。

例えば、夫の遺産について、妻と子2人が相続人の場合、
妻 2分の1  子 1人あたり4分の1  の割合になります。
(子が3人なら子1人あたり6分の1づつ)

注意すべきは、遺産がいくつかあった場合でも、
それぞれが共同の所有(共有)となることです。

例えば、マンションと車と預金があれば、
マンションは妻2分の1、子4分の1づつの共有、
車も妻2分の1、子4分の1づつの共有、
預金も妻2分の1、子4分の1づつの共有になります。


3 遺産分割協議をした場合

遺言はないが、相続人全員で遺産分割協議をした場合、
協議の内容に従って、遺産は分けられます。

必ず相続人全員が合意しなければなりません。

遺産分割の方法は、単純に現物で分ける現物分割の他、
金銭で調整する代償分割などがあります。



以上のことをまとめると、
優先順位としては
1 遺言  2 遺産分割協議  3 法定相続分  というイメージでしょうか。

相続人が複数人いて、遺言もなく遺産分割協議もしなければ、
遺産は法定相続分で共有となります。

また、遺産分割協議で共有にすると決めれば、
もちろん遺産は共有となります。

私の考えとしては、共有は後々トラブルを生む可能性があります。
例えば、遺産である土地を兄弟の共有とした場合、
その兄弟が死亡すれば、それぞれの妻と子の共有に、
その子が死亡すれば、さらにその配偶者と子の共有に・・・

つまり、配偶者という一種の「他人」や、いとこ、はとこ同士という
つながりの薄い者同士の共有になり、共有者の人数もふえていきます。

そうすると、全員が足並みをそろえることが難しくなり、
売ろうにも売れない、貸そうにも貸せない状況になるかもしれません。

どうしても、共有としなければならない事情もあるかもしれませんが、
そうでなければ、遺産分割協議をして、
遺産ごとに単独の所有(単有)とすることをお勧めします。

次回は、そもそも相続権は誰にあるのか、
相続人の範囲についてご説明します。


ブログ内の関連記事 

  
「法定相続分の話」

  「遺言と遺留分(いりゅうぶん)の話」

(ホームページ「遺産の分割について知る」もご覧ください。)

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投稿者: 司法書士 本多寿之