事務所ブログ

2012.12.08更新

多重債務に陥り年月が経つと
債権者から返済を求める民事裁判を起こされることがあります。

そういう方から相談を受けたとき
「裁判所から送られてきた書類はどうしました?」と尋ねると
「受け取ると大変なことになると思い、受け取りませんでした。」
「受け取らなければ大丈夫と思い、受け取りませんでした。」
と答える方がいます。
本当にそうでしょうか?


1 特別送達


民事裁判を起こされると
起こされた方=被告には裁判所から
原告が提出した「訴状」と
裁判(口頭弁論)に出頭するようにと「呼出状」が送られてきます。

これらは「特別送達」という特別な郵便で送られてきます。
特別送達は封筒に「特別送達」の文字と
送付元の裁判所の名前が入っています。


特別送達は、書留郵便と同じように手渡しで、
受取人にサインや押印を求めてきます。
留守の場合はポストに「不在通知」などを入れますが、
「訴状」「呼出状」そのものをポストに入れることはありません。

最終的に、被告が「訴状」などを受け取ったかどうか
裁判所に報告されます。


2 書留郵便に付する送達


では、「特別送達」を、被告本人も家族も
受け取らなければどうなるでしょうか?

民事訴訟法107条に規定があり、
書留郵便またはこれに準じるもので送ります。
(書留郵便に付する送達)
そして、「発送の時に、送達があったものとみなす」
つまり今度は、受け取らなくても、受け取ったものとして裁判手続きが進みます。


3 裁判(口頭弁論)に欠席した場合


裁判所からの書類を受け取らないまま
手続きが進んだとして
裁判(口頭弁論)がいつあるかわかりませんから、当然、欠席です。

では、口頭弁論に欠席したらどうなるのでしょうか?

これは民事訴訟法159条に規定があります。
「相手方の主張した・・・事実を自白したものとみなす」
つまり、訴えた側(原告)の主張を認めたことになる、ということです。
そうすると、ほとんどの場合、
原告の主張どおりの判決が出されることになります。

裁判所の書類を受け取らない=全面敗訴の判決がされる、とも言えます。
受け取らないことでまったく良いことはないのです。


4 書類を受け取った上で対応を考えるべき


一度、判決が出され確定すると、
もはや覆すことはできません。

もし、相手の主張に事実と違っているところがあっても、
反論しなければそれが事実として判決が出されてしまします。

分割払いの希望を持っていても、
判決になれば必ず一括払いを命じる内容になります。

多重債務に陥っていると、
すでに分割払いも難しい状況かもしれません。
しかし、せめて相手が貸したと言っている金額や、
返してもらったと言っている金額に間違いはないか
確認をしておく必要はあると思います。

書類を受け取ってこれらのことを確認したうえで、
分割払いができるのであれば、
口頭弁論に出頭してそのことを言うべきですし、
分割払いも無理であるのならば、
破産手続きなど他の手続きを急ぎ、
仕事を休むくらいなら口頭弁論は欠席も検討する・・・

裁判所からの書類を受け取り、内容を確認したうえで、
対応を考えるべきだと思います。

(このことは貸金請求の裁判に限りません。)
また、誤った対応をしないためには
裁判所からの書類を受け取ったら
早めに司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。

裁判所からの書類は、受け取らなければ
有利にはならず、不利になることが多い
そう考えてもらって差し支えないと思います。


北九州市とその近郊の中間市、直方市、行橋市、水巻町、
遠賀町、芦屋町、岡垣町、香春町、みやこ町、苅田町などで
民事裁判、訴訟、強制執行などの相談は
北九州小倉の角田・本多司法書士合同事務所まで

投稿者: 司法書士 本多寿之