事務所ブログ

2012.04.26更新

お金の支払いを命じる判決などで
自分の財産が差押えられるとどうなるのでしょうか。

不動産も含め物が差押えれれば、競売にかけられて
買受人が現れると、その人の手に渡ります。
買受人は裁判所に代金を納付し、
債権者はそこから配当を受けます。

預金を差押えられれば、もちろん
差押えられた金額を引き出すことはできません。
そして、債権者は銀行から直接支払いを受けることができます。
(裁判所経由で配当となることもあります。)

給料を差押えられたときも同じで、
債権者は給料を払う会社から直接受け取る
あるいは裁判所経由で配当を受けます。

ただ給料は社会保険料、税金などを引いた残額の

4分の1しか差押えられません。
(残額が44万円を超えると

33万円を引いた額の残り全部が差押え)
 4分の1で債権の支払いに足りないときは、
次の月の4分の1、それでも足りないときは、
さらに次の月の4分の1・・・と差押えは続きます。
 
申し立てることで、裁判所が生活の状況などを考慮して
差押えを給料の4分の1以下に減らすこともあります。
(差押禁止債権の範囲の変更)
  
養育費の未払いによる差押えの場合は、
給料の2分の1まで差押えられます。

一方、年金、生活保護は全額差押え禁止です。

いろいろ書きましたが、
それでは「差押禁止債権の範囲の変更」以外で、
差押えを減らす、または止める方法はあるでしょうか。

原則的には判決で命じられた全額を支払わなければ、
差押えを止めることはできません。


例外として
破産や再生手続の申し立てを裁判所に行い、
開始決定がされると差押えなどの強制執行手続は
破産では失効、再生では中止となります。

それでは、例えば夫が借金を返済しなかったら、
妻の財産まで差押えられるのでしょうか?
家族への影響などについては次回お話します。

投稿者: 司法書士 本多寿之

2012.04.21更新

「債務整理をすると給料を差押えられますか?」
債務整理の相談で時々質問されます。
「財産を差押えられる」ということについて
今日はお話ししたいと思います。

財産の差押えをするには主に次の3つの内の1つが必要です。
1 裁判所の判決(または仮執行宣言付支払督促、調停・和解調書など)
2 公正証書
(詳しくは後日触れたいと思います。)
3 抵当権など財産を担保に入れている

1の判決などは裁判所で借金などがある債務者を
被告・相手方などとして行われた手続きの結果作成されるものです。
2の公正証書は公証人役場で債務者と債権者で作成されるものです。
3は債権者と財産の所有者で担保に入れる契約が必要です。

どれもも債務者が全く関与せずに作成されるものではありません。
つまり、裁判所での手続をされた、
公証人役場で手続きをした、担保に入れる契約をしたのでなければ
判決も公正証書も作成されておらず、担保にも入っていなのですから
借金を返していない、債務整理をしたということで
直ちに給料や財産を差押えられることはありません。

(裁判の前にする「仮差押え」というものもあります。これも後日触れます。)

もちろん「直ちに」されないのであって、
ほったらかしている間に裁判されて
判決をとられれば、差押えの可能性はあります。

以前は司法書士などが債務整理を引き受けたと知ると
急いで裁判を起こす債権者もいました。
しかし、最近はあまりありません。

ですから、借金の返済が遅れたからといって
必要以上に差押えを恐れることはありません。
しかし、そのまま放置していると、その内裁判を起こされ
判決をとられて給料などを差押えられるかもしれません。

債務の返済が苦しくなったときは、
早めに司法書士などに相談することが大切です。


差押え(強制執行)については、
される側、する側、それぞれの視点から、
何回かにわたってお話をしていきたいと思います。

北九州市 門司区 小倉北区 小倉南区 戸畑区
若松区 八幡東区 八幡西区とその近郊にお住まいで
債務、借金、ローンの整理についてのご相談の方は
角田・本多司法書士合同事務所までご相談ください。

投稿者: 司法書士 本多寿之

2012.04.04更新

遺産分割協議は、相続人全員の合意がなければ成立しません。
相続人に反対者がいる
 (→「遺産分割の話し合いがまとまらないとき~調停・審判」
認知症の人がいる
 (→「ご高齢の方の判断能力が低下したら~成年後見」
などすぐに協議が成立しない例を取り上げてきましたが、
今回は相続人の中に行方不明の人がいる場合です。

住民票上の住所に居住しているならば、
戸籍から調べていけば分かりますが、
そうでなければ探しようがない場合もあります。
しかし、相続人が1人欠けても協議は成立しません。

その場合考えられる解決策は2つで、
いずれも家庭裁判所に申し立てます。

1つは不在者財産管理人の選任です。
所在不明となった者に財産管理人がいない場合、
申立てにより家庭裁判所は財産管理人を選任できます。
そして、行方不明の相続人の代わりに
財産管理人が裁判所の許可を得て遺産分割を行うのです。

ただし、不在者の財産(この場合は相続人としての権利)に
利害関係を有する第三者(この場合は他の相続人)の利益を保護するとともに、
不在者の利益の保護も考えなけれbなりません。
そうすると、行方不明の相続人が取り分無しの遺産分割は、
行方不明の相続人の利益を保護しているとは言えませんので、
裁判所が許可しないことも十分考えられます。

この制度を利用して遺産分割を行ったケースは
私自身、何例もあります。

もう1つは失踪宣告です。
不在者が7年以上生死不明の場合、
家庭裁判所に請求して失踪の宣告がされれば、
消息を絶って7年間経過したときに
その者は死亡したものとみなされます。
(船が沈没した場合や、先の震災のような場合で
危難が去って1年間経過した場合は、
危難が去ったときに死亡したものとみなされます。~特別失踪)

注意が必要なのは、その者が死亡したとみなされたために、
新たな者が相続人に加わることがあることです。
例えば、父Aが死亡したが子の一人Bが生死不明のため
子Bについて失踪宣告がされたとします。
その子には配偶者Cと子D(父Aの孫)がいた場合、
子Bが死亡したとみなされた日が父Aの死亡より前なら子D(孫)が、
父Aの死亡より後なら配偶者Cと子D(孫)が父Aの相続人になります。

もし、配偶者Cも子Dも生死不明だと、
CDについても失踪宣告をしなければならないかもしれません。

いずれの手続きも裁判所に申立てなければならず、
一定の時間はかかると考えなければなりません。
特に失踪宣告は6カ月(特別失踪は2カ月)の公示催告期間も必要で、
確定するまで1年近くかかるかもしれません。

しかし、行方不明者がいるからと遺産分割をあきらめずに、
これらの手続きを検討されるのがよろしいかと思います。


北九州市で地方裁判所(民事)、家庭裁判所(家事)提出書類のご相談は、
当事務所までご連絡ください。

投稿者: 司法書士 本多寿之