事務所ブログ

2013.11.28更新

最近、更新がなかなかできず、申し訳ありません。
それにもかかわらず、
多くの方にこのホームページをご覧いただいています。
ありがとうございます。

最近の検索を見ると、
「第三債務者」を含むキーワードで検索して
このホームページを訪れた方が非常に多くなっています。

これは今年5月2日のブログ
「従業員が給料を差押えられたとき~債権差押えの第三債務者」
検索されたためだと思います。

確かに裁判所から届く差押命令に
自分が「第三債務者」と書かれていると
「自分は差押えされるような未払いはないのに?」と
思うかもしれません。

これは債権差押えの手続きでの言葉の決まりです。



ある債権者が
貸金を返済しない債務者の給料を差押えた場合で考えると
その債務者(従業員)と雇い主との関係は
従業員が債権者、雇い主が債務者で
従業員が雇い主に対して給与債権を有していることになります。
(差押えられるのはこの給与債権になります。)

つまり、
貸金の債権者       - 貸金の債務者(従業員)
給与の債権者(従業員) - 給与の債務者(雇い主)
という、2つの債権債務関係がある訳です。

そして、給与差押え手続きの債権者・債務者は
あくまで貸金債権の債権者・債務者ですので
給与の債務者(雇い主は)これと区別して「第三債務者」と呼びます。
「債務者」と付いてしまいますが
未払いをしている差押え手続きの債務者とは区別されているのです。

それでもいきなり裁判所から差押命令が届いて
自分が第三「債務者」と書かれていると驚いて
「?! どうしたらいいのだろう」と思うかもしれません。

そのときの対応については、ブログ
「従業員が給料を差押えられたとき~債権差押えの第三債務者」
お話ししていますが、
供託など具体的な対応で困ったときは、ご相談ください。


北九州市八幡西区、八幡東区、若松区、戸畑区、
小倉北区、小倉南区、門司区とその近郊で
債権差押え、供託などのご相談は、当事務所へご連絡ください。


投稿者: 司法書士 本多寿之

2013.07.02更新

ここ数か月、当事務所のホームページを
「裁判所 書類 受け取らない」
「特別送達 本人以外 受け取る」などのキーワードで
検索してご覧いただいている方が多いようです。

ブログ「裁判所からの書類は受け取らなければ怖くない?」で
裁判所からの書類を受け取らないことで
不利益はあっても利益はほとんどないとお話ししました。
今日は、補足説明を加えてみたいと思います。


1 家族・従業員が受け取った場合


訴状、裁判の呼出状などは
裁判所から「特別送達」という郵便で送られてきます。
書留郵便に似た郵便で、不在だからといって
ポストにそのまま入れるようなことはありません。
不在通知を置いていきますので、
郵便局に電話して配達を依頼することができます。

送る場所は次のとおりです。(民事訴訟法103条)
1 受け取る者の住所(法人なら営業所・事務所など)
2 1がわからない、支障がある場合は就業場所
つまり、自宅で受け取らないと、
勤め先に送ってくることもあり得るということです。

送った場所で受け取るべき者がいない場合、
1の場合、そこにいる同居人、従業員などに
2の場合、そこにいる従業員などに渡すことができます。
なお、上の2の場合は従業員などが受け取りを拒まない場合です。
上の1の場合は、拒まれてもそこに置いていくことができます。

同居人、従業員が受け取った場合、
自宅などで受け取りを拒まれて置いていった場合、
いずれも本人が受け取ったのと同じように裁判は進みます。

ですから、本人でない家族・従業員などが受け取ったときは
早急に本人に裁判所からの書類を本人に渡す必要があります。



2 注意すべき点


受け取らないことで不利になることが多いのですから、
裁判所から特別送達が届いて
受け取るべき本人がいない場合でも、
家族や従業員は受け取って本人に渡すべきでしょう。

しかし、もうそこには住んでいない、
もうそこには勤めていないような場合は、
「ここにはいません」と受け取りを拒否するべきでしょう。
特に、以前の勤め先の従業員が受け取ってしまって
本人から「なぜ、勤めていないのに受け取ったんだ。」と
言われると困ると思います。

もっとも、そこには住んでいないが、
本人はどこかに隠れていて、郵便はとどかない状況
しかし、家族は連絡がとれるという場合は
受け取って本人に知らた方がよいかもしれません。

いずれにしろ、本人が裁判を起こされていることを知り、
訴状の内容を確認することが大切です。



なお、そこに住んでいる、勤めているのに
受け取らなかった場合でも
「書留郵便に付する送達」により、
発送した時に受け取ったものとみなして
裁判は進んでいきます。
(ブログ「裁判所からの書類は受け取らなければ怖くない?」)

投稿者: 司法書士 本多寿之

2013.05.24更新

差押えについては、昨年の4月から5月にかけて
このブログで何度かとりあげました。

今日は、差押える側でもなく、差押えられる側でもなく、
しかし、差押えの関係者となる
給与差し押さえの場合でいえば雇い主のお話です。


1 債権差押え


例えば
①従業員が雇い主から給料を支払ってもらう権利(給与債権)、
②預金を銀行から払い出してもらう権利、
③貸したお金を返してもらう権利、
こういった権利を債権といいます。
なので、これらのものを差押えると「債権差押え」となります。

差押えるのは債権であり、
①給料支払い前に雇い主が持っているお金、
②銀行の金庫にあるお金、
③お金を借りた人が持っているお金を差押えるのではりません。
これらの債権差押えの債務者は
①なら従業員、②なら預金している人、③ならお金を貸した人
ですので、①雇い主、②銀行、③お金を借りた人の財産は
差押えることができませんが、差押えの関係者と言えます。
(「第三債務者」といいます。)




2 第三債務者(雇い主)はどうすればいいか


従業員の給料が差押えられたとき
まず、雇い主のところに裁判所から差押え命令が届きます。
第三債務者である雇い主はどうすればいいのでしょうか。

これについては、民事執行法に規定があり、
第三債務者に対し債務者への弁済が禁止されます。(145条)
つまり、雇い主は従業員に給料を支払ってはならないことになります。
もっとも、給料の場合、差押えられるのは原則として4分の1まで
残りの4分の3は支払っていいことになります。
(この計算には例外もあります。152条)

もし、差押えられた給料を全部支払ったらどうなるでしょう。

裁判所からの差押命令が従業員(債務者)に送達されて
1週間が経過すると、差押えた人(債権者)は
雇い主(第三債務者)に対して
「給料の4分の1を直接自分に支払ってくれ」と言えます。
(債権者の取立て 155条)
そのとき雇い主は「給料全部を従業員に支払ったので、
あなたに支払いはできない」とは言えないのです。

裁判所から禁止されたにもかかわらず支払ったのですから
その責任は雇い主にあり、
雇い主は差押えた人(債権者)にも支払う
つまり、二重払いをしなければならなくなるのです。


2 差押えが重なった場合


1者だけでなく、2者以上の債権者が給料を差押えることで
給料差押えが重なった(競合)した場合は
どちらにどれだけ支払えばいいのか迷いそうです。

しかし差押えが重なった場合、債権者に直接支払うのではなく、
法務局に供託しなければなりません。(156条2項)
後は、裁判所が配当ということで債権者に分配します。

差押えが続く限り、毎月給料の支払いのときに、
4分の1を法務局に供託しなければなりません。

また、差押えが重ならない場合でも、
差押えから1週間たって債権者から「私に直接払え」と言われて
はたしてこの人に支払っていいのかと不安になるかもしれません。

差押えが重なっていない場合でも
法務局に供託することはできます。
(156条1項)
支払い(配当)は裁判所がしますので安心です。

なお、いずれの場合も供託した時は、
裁判所にそのことを届けなければなりません。(156条3項)




以上のことは、
家賃を差押えられたときの賃借人、
請負代金を差押えられたときの発注業者などでも
同じことが言えます。

対応を誤ると二重払いの危険があります。
また、供託手続きは司法書士が代理して行える業務ですので、
迷われたときは是非ご相談ください。






投稿者: 司法書士 本多寿之

2013.05.03更新

「時効で借金を返さなくてよくなった」
「時効で土地が他人のものになった」
「時効」という言葉を聞いたことがあると思いますが、
今回は、権利が消滅してしまう
「消滅時効」についてお話しします。


1 消滅時効


権利があるのに、長い期間、行使しなかったため
権利が消滅してしまう、それが消滅時効です。

例えば、他人にお金を貸して、
返済時期が過ぎて返してくれないのに
催促や裁判もしないまま10年以上経過したあと
相手が「時効だから返さない」と言われると
お金を返してもらう権利が消滅してしまいます。

「権利の上に眠る者は保護に値せず」という
言葉があり、権利を使わない期間が長期間になると
権利がない状態と同じになると考え消滅させる
というイメージでしょうか。

消滅時効にはいくつか要件があります。


2 「長期間」とは?~期間と起算点


「長期間」とはどれぐらいの期間でしょうか。

お金を貸したなどの一般的な債権は10年で消滅します。
ではいつ(起算点)から10年でしょうか。
これは、権利を行使できるときから、つまり貸してもらえるときからで、
返済時期を決めていたならば返済時期から
決めていなければ貸したときから10年です。

その他民法では、
家賃など定期的な支払いを目的とする債権は5年
医師、薬剤師などの診療・調剤に関する債権は3年
飲み屋などの飲食料に関する債権は1年
など、10年より短い期間のものを規定しています。
(今後、法改正で期間を統一する方針で検討されています。)

また、銀行や消費者金融などがお金を貸すなど
商行為によって生じた債権は5年で時効消滅します。

「3年」「5年」などは、権利を行使できるときからが起算点で
返済時期から、お金を支払わなければならないときから
「3年」「5年」や「10年」経過してから時効消滅です。

なお、裁判で確定した債権は、
10年より短いものも10年となります。

では、支払い時期がきても支払わなくて
「3年」「5年」や「10年」などの期間が経てば
必ず払わなくてよくなるのでしょうか?

3 時効の中断


その場合、債権者が権利を行使すれば時効は中断し、
例えあと一週間で時効が完成するところまできていても
また一度1日目に戻り、ご破算となります。

時効が中断してご破算となるのは次のケースなどです。

① 裁判上の請求
 裁判所に訴状などを提出して訴えなどを提起・申立すれば
 時効は中断しますが、却下されたり取下げたりすれば
 時効は中断しません。

 また、相手(債務者)に直接請求(催告)した場合は、
 6ヶ月以内に裁判上の請求などをしなければ
 時効は中断しません。

② 差押え、仮差押えなど

③ 承認
 これは、相手(債務者)が「借金があります」「支払う義務があります」と
 自分で債務があることを認めることです。
 また、元金や利息の一部を支払う行為は、
 債務全部があることを認めたとして、時効は中断します。


時効が中断してから、「10年」などの期間が経てば
時効が完成しますが、その間に中断すれば
またそこから「10年」などの期間の経過が必要です。

また、期間が経過して時効が完成した後でも
承認すると時効の利益を放棄したものとして、
やはり期間はご破算になってしまいます。



そして、期間が経過したあと、
権利を完全に消滅させるために必要なものがあります。


4 援用(えんよう)


時効が中断せず、「10年」などの期間が経過しても
「時効だから払いません」など、
債務者が時効により権利が消滅するという利益を受けることを
債権者に伝えなければなければなりません。
これを、時効の「援用(えんよう)」といいます。

時効の期間が経過しても、
債務者が支払いたければ支払って構いません。
しかし、支払わないならば時効を援用することを債権者に伝える必要があり、
口頭で伝えてもいいのですが、
証拠が残るように内容証明郵便で通知することが好ましいでしょう。


時効については、よく要件を確認しておかなければ
「時効が完成して支払わなくてよかったのに、
債務を認めて時効がご破算になった」
「裁判を起こさなかったので時効が完成して、権利が消滅した」
などの不利益を被ることになりかねません。


北九州市小倉北区、小倉南区、門司区、戸畑区
若松区、八幡東区、八幡西区とその近郊にお住いの方で、
訴状の作成、差押え強制執行等の書類の作成、
簡易裁判所での民事裁判手続きは当事務所までご連絡を

投稿者: 司法書士 本多寿之

2012.06.06更新

このホームページのアクセス結果を拝見すると
先月もたくさんの方々に
このホームページへ訪問いただいたようです。
ありがとうございます。

検索されたキーワードでは、
ゴールウィーク前後に続けてブログに掲載した
差押えに関するものが多かったようです。

反響があったということで、アクセスの結果をふまえながら、
「差押え」について補足説明をします。

1 夫婦の一方に借金が、差押えが、もう一方の財産は?
これに関連する検索が一番多かったようですが、
これについては
「Q夫が財産を差押えられた、破産した・・・私はどうなる?」

書いたとおりで、夫婦の一方に借金があって払えなくても、
もう一方に夫婦だという理由だけで
当然には支払い義務はありません。(日常家事の債務を除く)
保証人になっていれば、保証人として支払い義務があります。
もう一方に支払い義務がなければ、差押えられることもありません。

ただ、借金があるまま死亡して、
夫婦のもう一方が支払い義務を相続してしまうと話は別です。
そんな時、プラスの財産が特にないのであれば、
3ヶ月以内の相続放棄をして
支払い義務を相続しないようにすることの検討が必要でしょう。

2 差押え前の、差押えの後の名義変更
差押え前の財産の名義変更についても
「Q夫が財産を差押えられた、破産した・・・私はどうなる?」
後半に書きましたが、
差押えを逃れる目的での財産の名義変更は
後になってプラスにならないことが多く、
悪質な場合、犯罪を構成することもあります。

差押えられた後の財産の名義変更については、
名義変更より差押えが優先します。
差押え=競売手続でその財産を誰かが取得すると、
差押えの後に名義変更を受けた人は
その財産の所有権を失います。
つまり、名義変更が無駄に終わってしまう可能性が高いのです。

3 差押えで足りない分はどうなる?
差押えられた財産を、
その後の競売手続で売却され代金が配当される、
あるいは給料などの差押えで直接債権者が回収するなどしても
まだ、債務の金額に足りない場合どうなるかですが、
足りない分は残債務として支払い義務も残ります。
債権者が判決などの債務名義を持っていれば、
残債務回収のために、他の財産を差押えることができます。
債務名義については、
「Q.借金を返してくれない知人の財産を差押えたい1」をご覧ください。

今後も、アクセスいただいたキーワードも参考にしながら、
いろいろな情報を発信していきたいと思います。

その他のブログ内の関連記事

「Q.債務整理すると給料差押えられますか?」

「財産を差押えられたとき」

「Q.借金を返してくれない知人の財産を差押えたい1」

「Q.借金を返してくれない知人の財産の差押えたい2」


北九州市八幡西区、八幡東区、若松区、戸畑区、
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民事裁判、民事執行、民事保全の手続きについてのご相談は
角田・本多司法書士合同事務所までご連絡ください。

投稿者: 司法書士 本多寿之

2012.05.10更新

前回の続きです。
確定判決など「債務名義」を手に入れ、
執行分の付与、送達証明の取得ができれば
いよいよ相手の財産の差押え(強制執行)です。

ここで問題となるのは、いったい何を差押えるかです。
「えっ、裁判所に申立てれば、
裁判所が何か相手の財産をさがして差押えてくれのでは?」
という声が聞こえてきそうですが、
残念ながら差押える財産は差押える側が見つけて
「これを差押えてください。」と指定して裁判所に申立てなければ
裁判所は差押えをすることができません。

以下に差押えが考えられる主なものとその手続の概要や
メリット・デメリットをお話します。

1 不動産
メリット  大きな金額の回収の可能性がある
デメリット すでに抵当権などが設定されていると抵当権者が優先する。
       裁判所に収める予納金が比較的高額(50万円~)
裁判所に申立て、競売で売却できるまで数カ月はかかります。
また、1回で買受人が現れない場合は、金額を下げて再び売却を試みます。
売却ができればその代金から配当を受けます。

2 預金・給料・請負代金・売掛金など金銭を受け取る権利(債権執行)
メリット  うまくいけば直接銀行や勤め先から金銭を受け取れる
         →即回収につながる
デメリット 「〇〇銀行〇〇支店」(預金がどこにあるか)
       「住所〇〇の株式会社〇〇」(勤め先、発注元がどこなのか)など
       詳しい情報がないと差押えができない。
相手方が、銀行から、勤め先から、発注元などから
お金を受け取る権利を差押えます。
「財産を差押えられたとき」でも触れたように、給料は4分の1まで
年金、生活保護は差押え禁止です。

3 家財道具、店の備品・在庫品(動産執行)
メリット 住所さえわかれば差押え可能
デメリット 執行官に行ってもらう費用がかかる
       生活に必要なものは差押えができず
       高価なものがなければ功を奏しないことが多い
       リース物件などは相手に所有権がないので差押えできない
衣服・テレビ・クーラーなどは生活に必要なので差押えできません。
高価な宝石や価値のある在庫品などでもない限り、
一般の家財道具は価値がなく、効果が上がらないことが多いです。

その他、自動車執行も考えられますが、
裁判所が売却するまでの保管場所の料金などの費用がかかるため、
自動車が高額で売却できないと費用のかけ損の可能性もあります。

差押えがうまくいくかどうかは、当たり前かも知れませんが、
何を差押えるかにかかっています。

司法書士は差押え(強制執行)手続の代理人とはなれず、
書類の作成のみしかできませんが、
強制執行手続きは、裁判所に出頭することがほとんどないので
結局、書類さえちゃんと作成して裁判所に提出すれば足ります。

過去に依頼を受けて、相手方の預金や給料、
貸金が高額なときは不動産の強制執行の申立書を作成し、
回収に成功したことは多くあります。
その反面、相手方にめぼしい財産がなく、
せっかく判決をとっても回収できないこともあります。

そうすると、やはり、お金を貸すときに、保証人をつけてもらう、
不動産に抵当権を設定させてもらうなどの手当が重要ですが・・・

※ 仮差押えについて
裁判をして、勝訴判決を手に入れて、
それからやっと差押えとなるわけですが、
裁判を起こされた時点で、相手方が危険を察知して
財産を隠したり、他人に移したりするかもしれません。
金銭であれば使ってなくなってしまうかもしれません。
そうすると差押えるものがない、あるいは見つからなくなります。

それを防ぐための緊急性と必要性があると判断されれば、
裁判所に申し立てて、裁判を起こす前に仮に差押えておく、
「仮差押え」(そのままですが)ということができます。

仮差押えをしておくと、債務者はそのものを自由に移したり
使ったりできなくなります。(預金だったら引き出せないなど)
つまり差押えと同じ状態です。
しかし、裁判が確定して本来の差押えをするまで、
競売にもならず、債権者に配当もされません。
いわば「保留」状態のようなものです。

もし、債権者が裁判に負ければ、
仮差押えは解かれることになりますが、
結果的に、されるいわれのない仮差押えのために
長い間そのものを移せない、使えないことで
債務者に損害が生じているかもしれません。

損害は債権者に賠償する責任がありますが、
それに備えて、仮差押えを申立てるときに
債権者に担保を立てさせることが一般的です。
担保を立てさせるとは、多くの場合、
裁判所が決めた額の金銭を法務局に供託させるのです。
(「保証金」と言ったりします。)

そして、債権者が敗訴した場合、
仮差押えがされたことで債務者の被った損害の賠償に
保証金をあてるのです。

仮差押えは、債務者の側から見れば、
訴訟もされてない、公正証書も作ってないのに、
仮とは言えいきなり差押えられることになります。
しかし、債権者はそれ相応の保証金を積む必要があります。
(保証金の額は、事案ごとに裁判所が決定します。)


北九州市八幡西区、八幡東区、若松区、戸畑区、
小倉北区、小倉南区、門司区にお住まいの方で、
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角田・本多司法書士合同事務所までご連絡ください。





       

投稿者: 司法書士 本多寿之

2012.05.07更新

借金を返してくれない知人(債務者)の財産を差押えたい・・・
今回は、差押える側(債権者)から考えてみます。

土地に抵当権を設定するなど、担保に入れた財産がない場合、
財産を差押える(強制執行)には次のいずれかが必要です。
(民事執行法22条 ただし一部省略)
1 確定判決
2 仮執行の宣言を付した判決
3 仮執行の宣言を付した支払督促
4 和解調書、調停調書など確定判決と同一の効力を有するもの
5 公正証書(金銭の支払い等を目的とし、
        強制執行に服する旨の記載があるもの)
※ これらを「債務名義」と言います。

1から4は、債務者を被告や相手方として
借金の返済を求めて裁判所に申し立てた結果作成されるもの、
5は事前に債務者と公証役場で作成するものです。

お金を貸し付けたとき、債権を保全する方法としては、
・公正証書を作成する
・不動産などに抵当権を設定する(物的担保)
・連帯保証人をたててもらう(人的担保)
などが考えられますが、いずれも相手方や
保証人となってくれる人の協力が必要です。

不動産に抵当権を設定することは住宅ローンなどでよく行われますが、
債権者が金融機関でない個人であっても、
個人を抵当権者として設定登記ができます。
抵当権があれば、「債務名義」がなくても
競売の申し立てができます。

(もっとも、すでに先順位の抵当権が設定されている場合は、
自分まで配当がまわってこないことがあるかもしれません)

しかし、知人にお金を貸すにあたって、
公正証書を作成してくれ、
抵当権を設定してくれ、とまでは言いにくいかもしれません。

そういうものがないまま、借金を返してくれなくなり、
相手の財産を差押えたい場合は、
支払いを求める民事裁判を起こす、
支払督促手続を利用するなどして、
「債務名義」を手に入れるしかありません。

強制執行を申立てるには、
債務名義に執行文を付与してもらう、
相手方に債務名義が裁判所などから届いているという
「送達証明書」を取得するといった
前段階の手続きも必要です。

これらの書類がそろえば、
強制執行の申立てとなりますが、
続きは次回に。

投稿者: 司法書士 本多寿之

2012.05.01更新

夫が借金を返せなくなった、
夫が給料を差押えられた、
夫が破産した、
私(妻)の財産、給料もとられるでしょうか?
・・・度々受ける質問です。

この問題は、
法律上、妻に夫の借金を返済する義務があるかないか
このことにつきます。

原則として、夫婦といえども
妻が夫の(夫が妻の)借金を返済する義務はありません。
なので、夫が給料を差し押さえられたり、破産しても
妻の給料や財産はとられることはありません。
(親子についても同様です。)

ただし、妻が夫の保証人になっていれば
保証人として返済の義務があります。
ですから、保証人として返済を命じる判決があれば
債権者は妻の給料などを差押ることができます。
また、夫が破産して債務の免除(免責)を受けても、
妻はそれだけでは保証人の責任を免れません。
つまり、保証人である妻には返済の義務があります。
妻も破産・免責を受ければ返済義務は免除されます。

夫婦については、日用品の購入など
日常家事に関する債務は、法律上、連帯して責任があります。

日常家事に関する債務を除けば、
保証人になる契約などがない限り、
親族だからというだけで、借金の支払い義務はありません。
※ 支払い義務のある人が死亡して、
相続で他の親族が支払い義務を引き継ぐことはあります。

また、支払い義務がない人の財産を差し押さえることはできません。
差押えることができるのは支払い義務のある人の名義の財産です。
だったら、差押えられる前に、夫の土地を妻名義に変更する、
夫の預金を妻名義の口座に移せば、差押えできないでしょうか。

確かにそうかもしれません。
しかし、差押えを免れる目的での財産権の移転は、
債権者を害する行為として「債権者取消権」の対象となることがりあます。
つまり、結局もとに戻されなければならなくなることがあります。

また、その後、破産の申し立てをした場合、
財産を他の人に移したことが破産管財人によって否認されると
やはり、もとに戻さなければなりません。
裁判所の借金免除(免責)の判断の際、悪質な財産隠しと認定され、
借金免除が受けられない(免責不許可事由)可能性があります。
さらに、強制執行不正免脱罪という犯罪を構成することがあります。

借金の返済が厳しくなってから以降に
安易な財産権の移転、名義の変更を行うと、
最終的にはマイナスの結果となることがありますので、
慎むべきだと思います。


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投稿者: 司法書士 本多寿之

2012.04.26更新

お金の支払いを命じる判決などで
自分の財産が差押えられるとどうなるのでしょうか。

不動産も含め物が差押えれれば、競売にかけられて
買受人が現れると、その人の手に渡ります。
買受人は裁判所に代金を納付し、
債権者はそこから配当を受けます。

預金を差押えられれば、もちろん
差押えられた金額を引き出すことはできません。
そして、債権者は銀行から直接支払いを受けることができます。
(裁判所経由で配当となることもあります。)

給料を差押えられたときも同じで、
債権者は給料を払う会社から直接受け取る
あるいは裁判所経由で配当を受けます。

ただ給料は社会保険料、税金などを引いた残額の

4分の1しか差押えられません。
(残額が44万円を超えると

33万円を引いた額の残り全部が差押え)
 4分の1で債権の支払いに足りないときは、
次の月の4分の1、それでも足りないときは、
さらに次の月の4分の1・・・と差押えは続きます。
 
申し立てることで、裁判所が生活の状況などを考慮して
差押えを給料の4分の1以下に減らすこともあります。
(差押禁止債権の範囲の変更)
  
養育費の未払いによる差押えの場合は、
給料の2分の1まで差押えられます。

一方、年金、生活保護は全額差押え禁止です。

いろいろ書きましたが、
それでは「差押禁止債権の範囲の変更」以外で、
差押えを減らす、または止める方法はあるでしょうか。

原則的には判決で命じられた全額を支払わなければ、
差押えを止めることはできません。


例外として
破産や再生手続の申し立てを裁判所に行い、
開始決定がされると差押えなどの強制執行手続は
破産では失効、再生では中止となります。

それでは、例えば夫が借金を返済しなかったら、
妻の財産まで差押えられるのでしょうか?
家族への影響などについては次回お話します。

投稿者: 司法書士 本多寿之

2012.04.21更新

「債務整理をすると給料を差押えられますか?」
債務整理の相談で時々質問されます。
「財産を差押えられる」ということについて
今日はお話ししたいと思います。

財産の差押えをするには主に次の3つの内の1つが必要です。
1 裁判所の判決(または仮執行宣言付支払督促、調停・和解調書など)
2 公正証書
(詳しくは後日触れたいと思います。)
3 抵当権など財産を担保に入れている

1の判決などは裁判所で借金などがある債務者を
被告・相手方などとして行われた手続きの結果作成されるものです。
2の公正証書は公証人役場で債務者と債権者で作成されるものです。
3は債権者と財産の所有者で担保に入れる契約が必要です。

どれもも債務者が全く関与せずに作成されるものではありません。
つまり、裁判所での手続をされた、
公証人役場で手続きをした、担保に入れる契約をしたのでなければ
判決も公正証書も作成されておらず、担保にも入っていなのですから
借金を返していない、債務整理をしたということで
直ちに給料や財産を差押えられることはありません。

(裁判の前にする「仮差押え」というものもあります。これも後日触れます。)

もちろん「直ちに」されないのであって、
ほったらかしている間に裁判されて
判決をとられれば、差押えの可能性はあります。

以前は司法書士などが債務整理を引き受けたと知ると
急いで裁判を起こす債権者もいました。
しかし、最近はあまりありません。

ですから、借金の返済が遅れたからといって
必要以上に差押えを恐れることはありません。
しかし、そのまま放置していると、その内裁判を起こされ
判決をとられて給料などを差押えられるかもしれません。

債務の返済が苦しくなったときは、
早めに司法書士などに相談することが大切です。


差押え(強制執行)については、
される側、する側、それぞれの視点から、
何回かにわたってお話をしていきたいと思います。

北九州市 門司区 小倉北区 小倉南区 戸畑区
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角田・本多司法書士合同事務所までご相談ください。

投稿者: 司法書士 本多寿之

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