事務所ブログ

2012.09.11更新

住宅ローンを利用した場合、
住宅と敷地に抵当権が設定されます。
そして、住宅ローンを完済したら
抵当権を抹消できるのですが、
抹消し忘れていることが結構多いものです。

完済すると、金融機関によっては
金融機関の指定する司法書士に依頼して
抹消手続きをしてくれることもあります。

しかし、多くの場合、
金融機関の窓口で手続きに必要な書類を渡される、
後日、必要書類が郵送されてくるなどして、
完済した人が自分自身で、または自分で司法書士に依頼して
抹消手続きを行わなければなりません。

抹消手続きの必要書類の中には、
有効期限(最長3か月)のある書類が含まれます。

有効期限が切れても、
新たに法務局で取得することはできますが
むだな費用がかかってしまいます。

中には、銀行から受け取った必要書類を紛失する方もおられます。
その場合は、金融機関に再発行を依頼しなければなりません。

ただし、金融機関から受け取る必要書類の中には
再発行できないものがあります。
抵当権の登記済証、いわば抵当権の「権利書」です。

前回、権利書は紛失しても再発行されないとお話ししました。
これは、抵当権の権利書でも同じです。
前回、権利書がない場合の手続きにつてもお話ししましたが、
抵当権の抹消についても同じ手続きになります。

しかし、多くの金融機関は、前回説明した手続きの内、
「事前通知」による手続きのみの対応です。
法務局に抹消登記を申請すると、
法務局と金融機関との間で通知のやり取りを行います。

紛失の場合、他の書類の再発行に時間がかかり、
通知のやり取りでも時間がかかってしまいます。

急いでいないならば構いませんが、
もし、売却することになっていて
その期限が迫っているときは注意が必要です。


売買(代金支払い)の期限までに、抵当権は抹消して、
いわばきれいな状態で買主に渡すことが売主の責任です。
抵当権の抹消書類を紛失していて、手続きに時間がかかり、
売買の期限に間に合わなければ、
契約違反として違約金を請求されても文句は言えません。

とすると、やはり、ローンを完済して
抵当権抹消手続きに必要な書類を受け取ったら、
早めに司法書士に依頼するなどして、
必ず抹消手続きを行うことが大切ということになります。

投稿者: 司法書士 本多寿之

2012.09.10更新

以前、このブログで
権利書をなくしたときのことをお話ししました。
(ブログ「権利書を失くしたとき」
権利書は再発行されませんが、
なくしたからといって権利はなくなりません。

将来、売るなどして名義変更をする、
担保に入れて銀行から融資を受けるなどのとき、
権利書が必要となりますが、
なくしている場合は、ないなりの手続きがあります。
今日はその「ないなりの手続き」のお話です。

手続きは3つあります。
売買での名義変更(所有権移転登記)で考えます。

1 事前通知

まず、権利書以外の必要書類をそろえて、
法務局に所有権移転登記の申請をします。

すると、法務局は売主に宛てて
本当に所有権移転していいですか?と、
手紙を送ります。(事前通知)

事前通知には、登記することに間違いがない場合、
売主が署名して実印を押す欄があります。

売主がその欄に署名・押印して、法務局に戻せば
所有権移転登記が完了して、名義は変わります。

法務局が通知を発送して2週間以内に、
署名・押印して法務局に戻さなければなりません。


2 資格者代理人による本人確認情報の提供

登記申請をする前に、司法書士など
登記手続きの代理ができる資格者が、
売主本人と面談して、省令で定められた本人確認資料で
本人の確認をします。

そして、そのことを報告書(本人確認情報)として、
所有権移転登記に他の必要書類と合わせて添付すれば、
法務局と売主の通知のやりとりはなく、
所有権移転登記が行われます。

省令で定められた本人確認資料は、
①運転免許証、パスポートなどならば1点以上
②健康保険証、年金手帳などならば2点以上 など
細かく規定されています。(不動産登記規則72条)


3 公証人による認証

売主は登記の申請書または委任状に
実印を押印しなければなりませんが、
それらの書類に公証人から認証を受ければ
必要書類のうち、権利書がなくても、
所有権移転登記ができます。

公証人が売主本人に面談し、本人確認をして上で
売主が署名・押印した委任状などに、
本人を確認した旨の「認証文」を付けてくれます。


4 注意点

特に、1の事前通知で手続きを行う場合に注意が必要です。

以前、ブログ「不動産の売買に司法書士が立ち会う訳」で触れたように、
不動産の売買では、代金の支払いと名義変更登記は、
引き換えに(同時に)行うことが、
売主、買主、双方の安全につながります。

もし、権利書なしで法務局に所有権移転登記の申請した最初の段階で、
売買代金を支払ってしまったとして、
その後、売主が通知書に署名・押印して法務局戻さなかったら、
買主に名義は変わりません。

買主は代金を支払ったのに、
不動産の名義は自分にならない危険があるのです。


事前通知で手続きを行う場合は、
通知に売主が署名・押印して法務局に戻すことと引き換えに
売買代金を支払う方が、買主にとって安全です。

代金の支払い日が決まっている場合、
それまでに、売主の手元に法務局からの通知が届いてなければなりません。
間に合うように、権利書なしでの
最初の段階の申請をしておかなければなりません。

売主は、売買をすると決まったら、すぐ、権利書を確認し、
もし、ない場合は、早めに不動産業者や
司法書士に相談することが大切です。
そうでなければ、買主に迷惑をかけることがあります。

※ 法律の改正により、現在、法務局からは
以前の権利書(登記済証)に代わり
「登記識別情報通知」が発行されまが、
イメージしやすいと考え、「権利書」という言葉を用いて説明しました。


北九州市 門司区 小倉北区 小倉南区 戸畑区
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土地、建物の売買、贈与、相続などによる名義変更
抵当権の設定、抹消などの登記手続きは
角田・本多司法書士合同事務所にご連絡ください。

投稿者: 司法書士 本多寿之