事務所ブログ

2013.01.28更新

昨年、贈与を受けた、不動産を売却した方で
特例などで課税されない場合でも
税務署に申告が必要となります。

※ 下記は概要です。 詳しい要件、申告の方法は
 税務署や税理士に必ずご確認ください。


1 贈与税の特例


昨年1年間に贈与を受けた方の
贈与税の申告は、2月1日から3月15日までです。

1年間に贈与を受けた財産の総額が基礎控除の110万円以内ならば
贈与税は課税されず、申告の必要もありません。(暦年課税)

110万円を超えた場合でも、一定の条件を満たすものについて
特例で贈与税が課税されないものもありますが、
贈与税の申告期間に申告、届出などが必要です。

代表例としては・・・

① 相続時精算課税の選択

65歳以上の親から、20歳以上の子(子が死亡している場合は孫)が
贈与を受けた場合、一定の要件を満たして
暦年課税ではなく相続時精算課税を選択すると
2500万円を限度として控除を受けることができます。

つまり、2500万円までの贈与であれば贈与税は課税されませんが、
贈与のあった次の年の申告期間内に、「相続時精算課税選択届出書」を
税務署に提出するなどの手続きが必要です。


② 住宅取得資金の贈与についての非課税

親や祖父母から、住宅取得のための資金の贈与を受けた場合で
一定の要件を満たすと、一定限度額で非課税となります。
(平成24年は1000万円)

やはり、非課税となるために
贈与の翌年の申告期間内に特例を受ける旨の申告が必要です。


③ 夫婦間の居住用不動産の控除

婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産、
またはそれを取得するための資金の贈与がされた場合、
一定の要件を満たせば最高2000万円までの控除が受けられます。

2000万円+基礎控除110万円=2110万円の範囲ならば
贈与税は課税されないことになりますが、
その場合でも翌年の申告期間に贈与税の申告が必要です。


2 不動産の売却(譲渡)の特例


昨年1年間に不動産を売却した場合、
収入金額-(取得費+譲渡費用)=譲渡所得がプラスになる場合、
譲渡所得として今年の2月16日(曜日の関係で実際は18日)から
3月15日まで
の期間に確定申告が必要です。
(マイナスの場合は課税されず申告の必要もありません。
建物は減価償却にご注意ください。)

プラスになったとき、要件を満たせば特別控除や特例がありますが、
控除や特例で課税されなくなる場合でも
上記期間に確定申告が必要となります。

代表例としては・・・

① 居住していた家屋、家屋とその敷地を売却したときの特別控除

住んでいた家屋、または家屋とその敷地を一緒に売却した場合、
最高3000万円までの譲渡所得の控除があります。

住まなくなって3年目の12月31日までに売却することなど
いくつかの要件があり、これらを満たして控除を受ける結果、
譲渡所得がないこととなる場合でも、確定申告が必要です。


② 特定のマイホームの買い換えの特例

マイホームを買い替えた場合で、一定の要件を満たすと、
譲渡所得に対する課税を将来に繰り延べることができます。

例えば1000万円で取得したマイホームを5000万円で売却し、
新しいマイホームを7000万円で取得した場合、
特例を受ければ売却による4000万円の譲渡所得への課税を
将来、新しいマイホームを売却するときまで繰り延べることができます。


その他、一定の要件を満たした場合、
マイホームを売却して生じた譲渡損失を、他の所得と損益通算したり、
翌年へ繰り越したりできることがありますが、
この場合も、確定申告が必要です。


昨年、贈与を受けた、不動産を譲渡したという方、
今一度、申告等の必要がないかご確認ください。


投稿者: 司法書士 本多寿之

2013.01.20更新

一度作成した遺言の一部または全部を変更したい
あるいは、一部または全部をとりやめたいとき、
いずれも、もう一度、別の遺言を作成して、
その遺言で変更したりとりやめたりしなければなりません


自筆証書遺言であれば、燃やすなどして
遺言書を破棄する方法でとりやめることもできます。


とりやめることを民法では「撤回」と呼んでいますが、
変更する場合も、変更する部分については
前の遺言が「撤回」されたことになりますので考え方は同じです。


1 遺言による一部または全部の撤回


遺言の一部または全部の撤回をするときは、
新たに前の遺言を撤回する旨の遺言を作成します。

遺言の方式は自筆証書遺言でも公正証書遺言
(あるいは秘密証書遺言)でも構いません。
例えば、前の遺言が公正証書遺言であっても
自筆証書遺言で撤回することができます。

「○年○月○日に作成した遺言は全部取り消す。」
「○年○月○日に作成した遺言のうち、
弟○○に1000万円遺贈するとした部分を
弟○○に500万円遺贈すると変更する」など、
表現方法は自由ですが、
誰が読んでも分かるよう明確に書く必要があります。


2 前の遺言と異なる内容の遺言を作成した場合


最初に「自宅不動産○○は長男Aに相続させる」と遺言を作成し、
後日、「自宅不動産○○は長女Bに相続させる」と
前の遺言と相反する遺言を作った場合はどうなるでしょうか。
「前の遺言を変更する・取り消す」といった言葉が入っていなくても
前の遺言と相反する部分は、
後の遺言で撤回されたものとみなされます。

しかし「長男Aに1000万円相続させる」と遺言し、
後日、「長女Bに1000万円相続させる」と遺言した場合、
AB両方が1000万円ずつを相続することは可能で、
二つの遺言は相反しているとは言えませんので、
最初の遺言は撤回されたことになりません。
長女Bだけに1000万円相続して欲しいのであれば
「前の遺言を変更する・取り消す」などの言葉を入れて、
前の遺言を撤回することを明確にする必要があります。


3 遺言の破棄・目的物の破棄


もっとも、全部を撤回して取り消したいのであれば、
自筆証書遺言ならば破り捨てるか燃やすなどして
破棄してしまう方法もあります。

一方、公正証書遺言は、手元にある遺言書を燃やしても、
公証人役場に原本が残っていますので撤回したことにはなりません。

また、目的物を破棄してしまうと
もはや遺言の内容は実現しませんので、
遺言の撤回と同じになります。


最初に作った遺言の一部または全部を撤回するために
新たに遺言を作成する場合も、
遺言の作成に変わりはありませんので、
ブログ「遺言は自筆?公正証書?どちらがいい?」でお話ししたように、
公正証書で作成されることをお勧めします。

そして、自筆証書遺言で作成される場合は
専門家に相談されることをお勧めします。

投稿者: 司法書士 本多寿之

2013.01.12更新

訴訟=時間がかかるというイメージですが
少額訴訟は1回の裁判で即日判決が原則です。
今日は、少額訴訟についてお話しします。


1 少額訴訟の特徴


少額訴訟の主な特徴は次のとおりです。

 原則、裁判(口頭弁論期日)は1回で終結(民事訴訟法370条)

 原則、裁判が終結すると即日判決言い渡し(民事訴訟法374条)

3 簡易裁判所での60万円以下金銭の支払いを請求する裁判に限る
                             (民事訴訟法368条)

通常の民事訴訟であれば、
必要な場合、裁判(口頭弁論)は何度か開かれます。
また、口頭弁論が終結してから事案によりますが、
2週間から1か月後ぐらいに判決が言い渡されます。

ですから、通常の民事訴訟であれば
最初の口頭弁論から判決言い渡しまで、
数か月から長ければ数年かかりますが、
少額訴訟ならば原則1日で終了です。

少額訴訟の場合、訴状に次のことを書かなければなりません。

4 少額訴訟での審理を求める旨
5 その年にその簡易裁判所に少額訴訟を求めた回数
                        (民事訴訟法368条)

つまり、途中で少額訴訟に切り替えることはできません。
また、同じ人が同じ簡易裁判所でできる少額訴訟は
年10回までとされています。


2 注意する点


訴状に少し書き加えるだけで、原則1回の裁判ができる
と、いい点が多い制度ですが、注意点もあります。

6 書面、証人などの証拠は、即時に調べられるものに限る
                      (民事訴訟法371条)

1回の口頭弁論のときに、証拠となる書面は全部出し、
必要なら証人も原則、連れてこなければなりません。

7 相手方が求めると通常の訴訟に移行する
                      (民事訴訟法373条)

相手方が裁判の最初で
「通常の訴訟でお願いします。」と言えば、
通常の訴訟となってしまい、
1回で終結、即日判決とはならないかもしれません。

8 原告勝訴でも支払い猶予、分割払いで判決されることもある
                      (民事訴訟法375条)

通常訴訟で原告勝訴ならば、一括払いの判決ですが、
少額訴訟では、3年を超えない範囲で、
支払い猶予、分割払いの判決がされることがあります。
この部分に対して不服申し立てはできません。

9 判決に不服でも1回の異議申し立てしかできない
                     (民事訴訟法377・378条)

通常訴訟では、控訴、上告と三審制ですが、
少額訴訟は同じ裁判所に1回の異議の申し立てしかできません。



例えば、お金を貸した、借用書もある、
相手も返していないことを認めている、
とういような場合は、1回の裁判で即日判決の
少額訴訟を利用するメリットはあると思います。

しかし、お金を貸したが借用書はない
証人をすぐに連れてこれない(証拠がない)、
相手が借りたことを否定している(事実を争っている)というような場合、
少額訴訟では、1回の裁判でお金を貸した事実を
裁判所に認めてもらうことは難しいかもしれません。

1回の裁判で、裁判所にこちらの主張を認めてもらえなければ、
敗訴判決となることになってしまします。


1回の裁判で認めてもらうために
相手が事実関係を争ってきても
十分な証拠を提出することができるか、
少額訴訟を選択する際は十分に検討する必要があります。

少額訴訟はいい点がありますので、
条件に合えば是非、利用を検討したい制度です。

しかし、早いからと少額訴訟に飛びついて
思わぬ敗訴判決をもらうことのないよう注意も必要です。


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投稿者: 司法書士 本多寿之

2013.01.05更新

新年、明けましておめでとうございます。

新年は1月7日(月)より業務を開始します。

本年もよろしくお願い申し上げます。


不動産の登記、相続、遺言、
民事・家事裁判手続き、債務整理
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投稿者: 司法書士 本多寿之