事務所ブログ

2012.03.28更新

「権利書を失くしたのですが、
どうすればいいでしょうか?」
時々お問い合わせをいただきます。

答えは「どうしようもない・・・」
と言っても悪い意味ではありません。

権利書は名義変更をしたときに
1回限り発行されますが、
失くしても再発行はされません。
しかし、権利書を失くしたからといって、
権利が無くなるわけではもちろんありません。
権利書が他人の手に渡っても、
権利書だけでは何もできません。
他に印鑑証明書と実印が必要です。
(ですから、これらと権利書は別々に保管しましょう。)

権利書は、さらに他の人に名義変更するとか、
銀行などから融資を受けるために
抵当権を設定するなどの登記の手続きに必要ですが、
そういうことがなければ必要となる場面はありません。

権利書が必要な登記手続きで、でも権利書がないときは、
無いなりの手続きがちゃんと準備されています。

数年前の法改正で、権利書は「登記識別情報」という
言わば暗証番号のようなものに代わりました。
(法改正前に発行された権利書はそのまま使用できます。)
権利書ならば世界に1つしかありませんが、
登記識別情報という文字情報であれば、
他人に知られると権利書を盗まれたことと同じことになります。
(他に、印鑑証明などがなければ何もできないのは権利書と同じです。)
そこで、登記識別情報は希望すれば最初から発行しないこと(「不通知」)、
発行されても途中で「失効」させることもできるようになっています。

権利書(法律上は「登記済証」)は、
自分に権利があることを証明する
唯一のもののように考えがちですが、
法務局の登記簿に権利があると記録(登記)
されているかどうかが重要です。
少し語弊はありますが、
権利書は一般に思われているほど重要なものではない・・・
とは言え、無くなったり盗まれたりすると、
不安ですしいい気持ちはしません。
やはり重要書類として大切に保管してください。

法務省ホームページQ&A http://www.moj.go.jp/MINJI/minji76.html

北九州市小倉北区、小倉南区、若松区、戸畑区、
八幡西区、八幡東区、門司区とその近郊で、
相続、遺言、不動産登記、名義変更は、
角田・本多司法書士合同事務所にご相談ください。

投稿者: 司法書士 本多寿之

2012.03.26更新

子供に自分の不動産を譲りたいとう相談を受けることがあります。
無償で(タダで)譲るならば贈与です。
贈与による名義変更は、お互いが合意し、
登記に必要な書類をそろえればできますが、
問題となるのが税金です。

贈与を受けた人には贈与税がかかります。
贈与税は原則、年間110万円の控除しかありません。
1000万円の不動産の贈与を受けると、
控除後の890万円に対し贈与税がかかります。

ただし、現在「相続時精算課税制度」があり、
65才以上の親から成人した子に対する贈与について、
2500万円の控除を受けられることがあります。
(要件等は十分にご確認ください。)

その他、親から子への住宅取得資金の贈与の特例などがありますが、
贈与をする(受ける)場合は税金についてよく検討してしなければ、
後から大きな贈与税がかかることがあります。

税金の問題から生前に贈与することが難しい場合、
考えられるのが遺言です。

税金は相続税の対象となります。
相続税は基礎控除5000万円、相続人1人につき
1000万円の控除があります。
例えば、相続人が配偶者と子2人ならば
5000万円+(1000万円×3人)=8000万円で
遺産が8000万円を超えた場合、
超えた部分が相続税の対象となります。
遺産が控除の範囲内ならば相続税はかかりません。
(近い将来控除額は縮小されそうですが)

このように、相続税の方が控除額が大きいので、
生前に贈与することが難しい場合、
遺言により子に不動産を取得させることも検討できると思います。

ただ、遺言の場合は遺留分の問題があります。
また、死亡前の1年間にした贈与は遺留分の対象となります。

私は司法書士ですから、(税理士ではありませんから)
税金について相談を受けることは禁止されています。
ここに書いたことはあくまで参考としていただき、
詳細は必ず税理士、税務署にご確認ください。

国税庁ホームページ「相続時精算課税の選択」


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 遺言と遺留分の話 


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角田・本多司法書士合同事務所までご相談ください。

投稿者: 司法書士 本多寿之

2012.03.09更新

土地の境界については、
測量技術もある土地家屋調査士が専門ですが、
先日、筆界(境界)特定制度について
お話を聞く機会がありましたのでご紹介します。

例えば地番が10番の土地と11番の土地の境界は
それぞれの所有者が決めるものではなく、
国(法務局)が決めるものとされています。
(この国が決める土地の境界を法律では「筆界」と言います)

もし、10番の土地の所有者と11番の土地の所有者の間で
筆界について争いがあるとき、
以前ですと、裁判所に民事裁判を提起する、
つまり裁判で決着をつけるしかありませんでした。

しかし、平成18年から、法務局に申請して
法務局に筆界を特定してもらうという
「筆界特定制度」がスタートしています。

裁判ですと、場合によっては何年もかかり、
弁護士をたてれば弁護士費用もかさむということが、
筆界特定では裁判よりも短期間で、
費用も安価でできることが期待できます。

ただし、この手続で法務局が特定した筆界について
異議がある場合は
裁判所に筆界特定訴訟を提起できます。
つまり、筆界特定は最終的な解決にならない
(裁判でくつがえされる)こともあり得ますが、
裁判においても、法務局の筆界特定を
まずは有力な証拠と考えるようですから、
軽視できないものだと思います。

法務局にはご自分で申し立てることもできますが、
専門家である土地家屋調査士に依頼する方が多いようです。

くわしくは法務省のホームページをご覧ください。

投稿者: 司法書士 本多寿之