事務所ブログ

2018.12.13更新

前回の続きです。

 

前回の設例で、信託財産が

収益性のある甲不動産と収益性のない乙不動産であるとします。

 

判決でとられた考え方を設例にあてはめると、

収益性のない乙不動産からは経済的利益を得ることができず、

乙不動産を信託の目的財産に含めたのは、

外形上、Bに遺留分割合に相当する4分の1の受益権を与え

乙不動産に対する遺留分減殺請求を回避する目的であった、

なので、この部分は遺留分制度を潜脱する意図であり

公序良俗に反して無効、収益性のない乙不動産について

所有権移転登記と信託の登記の抹消を命じるということになります。

 

A、Bが生存中、乙不動産から経済的利益が得られず、

受益権の評価をAとBのみで考えるのであれば、

乙不動産に対する受益権の評価はゼロとも考えられます。

 

しかし、遺留分の算定において

受益権の評価は第2順位のCも含め判断するべきです。(前述)

そして、第2順位のCが信託終了時に残余財産を取得するのであれば、

この残余財産の取得による利益は含めなくていいのでしょうか。

 

この点ははっきりしていませんが、

受益者が信託財産の利益を100%享受できないことが明らかで、

その死亡後に残余財産が帰属権利者に帰属する場合、

その利益の一定部分について遺留分侵害が生じる可能性があると

考えることもできます。(「信託の理論的進化を求めて」(トラスト

未来フォーラム)の能見善久「財産承継的信託と遺留分減殺請求」

146頁(注12))

 

委託者兼受益者の死亡で終了する(受益者連続型ではない)信託において、

複数存在する委託者の相続人の内の一人のみが

残余財産の帰属権利者となっている場合、委託者の死亡が契機となるものの

残余財産の所有権は委託者ではなく受託者から帰属権利者に移転するので

受益者連続型の受益権の取得と法律構成は異なると考えられます。

 

しかし、この場合、他の相続人は、帰属権利者に対して

遺留分減殺を請求できないのでしょうか。

このことを論じたものを見たことがないのですが、

できなければ、これこそ信託が遺留分制度を潜脱することになります。

 

ですので、遺留分減殺はできると思うのですが、

受益者連続信託になると、途端に残余財産の帰属による利益が

遺留分減殺から切り離されるのであれば

法律構成が異なるとしても、バランスを欠くと思います。

 

前回からの設例に戻って

もし、Cの受益権に残余財産の帰属による利益が含まれるとすると

収益性のない乙不動産の受益権についても、

経済的利益を評価できる可能性があります。

 

(Cに残余財産が帰属する時期が不確定なため

Cの乙不動産についての受益権の評価は、委託者死亡時の

乙不動産の現物としての評価より低くなる可能性はあります。)

 

乙不動産の受益権に経済的利益を評価できるのであれば

収益性のない不動産を目的財産に含めることをもって

信託が必ずしも遺留分制度の潜脱を目的としたとは言えず、

公序良俗違反に当たらないと考える余地があると思います。

※ 判決では残余財産の帰属権利者が誰かは不明です。

 

収益性のない不動産を目的財産とした信託が

公序良俗違反となるのであれば、

収益性のない自宅の管理を目的として

売却を予定していないような信託までも無効となりかねず、

今回の判決が実務に及ぼす影響は大きいものになります。

 

 

前回、今回と遺留分の判断における受益権の評価について

それぞれ、私なりの検討を書き留めました。

 

まだ整理できていない部分があり、

まとまりがなかったかもしれませんが

今後、出されると思われる判決に対する評釈も確認して

引き続き検討したいと思います。

投稿者: 司法書士 本多寿之

2018.12.13更新

今年9月の家族信託と遺留分に関する地裁判決について、

内容を知る機会を得ました。

 

遺留分減殺請求について受益権説をとるのか、

遺留分を侵害する信託は公序良俗違反かなど

重要な論点がありましたが、前提とも言える

受益権の評価について疑問に思う点がありましたので、

備忘録として私の考えを書き留めます。

 

※ 判決の事案は複雑なため、今回は異なる例を設定して

その設例を用いて判決でとられた(と思われる)考え方を検討します。

※ 判決が採用した受益権説を前提に検討します。

 

設例として受益者連続型信託で、

委託者兼受益者が死亡したときに

受益者となるべき第1順位の受益者、

さらに第1順位の受益者が死亡したときに

受益者となるべき第2順位の受益者をそれぞれ指定していたとします。

 

第1順位の受益者は委託者の子のAB2名で、

受益権割合はA4分の3、B4分の1です。

(委託者の相続人はこの2名のみです。)

A、Bが死亡したときの第2順位の受益者はCです。

 

ところで、受益者連続型信託で遺留分減殺について判断するのは

委託者が死亡したとき1回限りです。

 

第2順位の受益者は、第1順位の受益者から

受益権を承継取得するのではなく、

委託者から取得すると法律構成します。

 

そして、委託者の死亡時に、第1、第2の各受益者の受益権の

価格について必要な算定がされるべきものと考えられています。

(寺本昌広「逐条解説新しい信託法(補訂版)」

 商事法務 2008年 260頁(注5))

 

上の例で委託者兼受益者が死亡して、

BはAに対して遺留分減殺請求の意思表示をしたとします。

(委託者の死亡は信託設定から30年経過より前とします。)

 

このとき、第1順位のみならず、第2順位の受益者の受益権についても

評価をして、遺留分の判断をするべきところです。

 

そうすると各自の受益権は

・Aの受益権は、委託者の死亡を始期、Aの死亡を終期

・Bの受益権は、委託者の死亡を始期、Bの死亡を終期

・Cの受益権の内、4分の3はAの死亡を始期、Cの死亡を終期

・Cの受益権の内、4分の1はBの死亡を始期、Cの死亡を終期

の、始期・終期付きの権利となり、これらの合計が受益権全体の評価です。

 

 

ところが、判決のとった考え方を上の設例にあてはめると・・・

 

①信託財産の評価を受益権の全体の評価とした上で、

この評価額にBの第2順位の受益者としての受益権割合

4分の1を単純に掛けて、Bの受益権の評価とする

 

②全体の受益権の評価額とその他に

Aが死因贈与で取得する財産があったのでその価格を合計して

基礎となる遺産総額を算出して、Bの遺留分の割合4分の1を掛ける

 

③②-①をAのBに対する遺留分侵害額とし、

Aが取得した財産について減殺をする

 

仮に、信託財産の評価がそのまま受益権全体の評価だったとしても

①のように単純に4分の3、4分の1を掛けて

A、Bの受益権の評価の算定とはならないと思われます。

これではCの受益権が考慮されていません。(ゼロになります。)

 

 

このことが、実務でどのようなときに問題になるかというと、

受益者連続型信託で、委託者が財産のほとんどを信託の対象とし、

委託者に複数の相続人が存在した場合、

遺留分を侵害しないように各相続人に割合を決めて受益権を与えるときです。

 

上記の設例で、受益権をA4分の3、B4分の1の割合とした場合でも、

Cの受益権の評価を加えて算定することになれば

委託者死亡時の受益権の評価全体に対するBの受益権の評価の割合は

4分の1を下回る、つまり遺留分の割合を下回ることになります。

(一般社団法人民事信託活用支援機構 ニュースレター

伊東大祐「民事信託と遺留分についての最新の動向」2017)

 

以前から、始期・終期付きの受益権を実際に評価するのは難しく、

ですので、受益者連続型信託では

遺留分を侵害しない割合の決定も難しいと考えていたのですが・・・

 

判決でとられた考え方のように、Cの受益権の評価を考慮しなくてよければ

計算は簡単ですが、果たしてこれが適切なのでしょうか。

 

これが、判決の内容を知って疑問に思った点です。

 

判決では遺留分の潜脱を目的とした信託は

公序良俗違反で無効としていますが、

上の例でのCの受益権の評価の仕方によっては

違う結論もありえると考えています。

このことは次回に。

投稿者: 司法書士 本多寿之

2018.09.25更新

6月9日に引き続き

「第17回 リビング相談室」の1枠で

「相続ドクターネクスト」を運営されている

株式会社ネクスト様の企画で、セミナーと相談会を開催します。

本多も講師を担当します。

 

第2回「相続を”争族„にしない 家族信託の活用」

10月13日(土)13時から

毎日西部会館(北九州市小倉北区紺屋町)

 

遺言の代わりをしたり、遺言ではできない財産の承継を可能にする

家族信託の活用法についてお話をします。

 

お申込みは西日本リビング新聞社へ  093-541-9311

 

(9月22日付リビング北九州より)

 リビングセミナー

 

 

 

 

投稿者: 司法書士 本多寿之

2018.09.04更新

以前に3回にわたり、民事信託・家族信託に関連して

信託財産に対する強制執行について私の考えを述べました。

ブログ「信託財産に対する強制執行①~信託口口座

ブログ「信託財産に対する強制執行②~債務名義

ブログ「信託財産に対する強制執行③~預金以外の財産

 

今回は、信託財産に属する財産である預金が差押えられた場合、

第三者異議の訴えの訴状を作成したとして、主張するべき事実を検討しながら、

分別管理の在り方について考えていきたいと思います。

 

 

「専用口座」であることのみで十分か

 青い線

信託財産に対しては、信託財産責任負担債務にかかる債権(以下「信託に関する債権」とします)に

基づかない場合は強制執行ができないとされています。(信託法第23条第1項)

そして、この規定に違反してされた強制執行に対しては、受託者または受益者は

第三者異議の訴えにより異議の主張ができます。(同第23条第3項)

 

上の3つのブログ記事で検討したとおり、債権執行の第三債務者である銀行も、

執行裁判所も、強制執行が信託に関する債権に基づくものか否か判断できませんので、

いずれの場合も強制執行が開始し、信託に関する債権に基づかない場合は、

受託者または受益者が第三者異議の訴えを提起することになると考えられます。

 

そこで、信託財産に属する財産が銀行預金(預金債権)だった場合で、

信託に関する債権に基づかないにもかかわらず、口座が差押えられたため

第三者異議の訴えを提起して争うという例で検討していきます。

 

第三者異議の訴えで原告である受託者または受益者が主張する請求原因事実は

差押えられた財産が信託財産に属する財産であることを基礎づける事実、

この例では銀行預金が信託財産に属する財産であることを基礎づける事実と考えます。

 

ところで信託では、信託財産と受託者の固有の財産を分別して管理することが

受託者に義務づけられています。(同第34条第1項)

そこで、推奨されてきたのが、信託契約に「金銭は「専用口座」を開設して管理する」などと定めて

銀行で「信託口口座(例えば口座名が「委託者〇〇受託者〇〇信託口」)」を開設して

その口座で信託財産に属する金銭を管理する方法です。

 

または、口座名が受託者個人であっても、委託者と受託者で「契約第〇条の専用口座は

〇〇銀行〇〇支店の口座番号〇〇〇の預金口座とする」と書面を作成して、

受託者の固有財産と区別をするということも考えられると思います。

これらの方法であれば、見た目、口座が信託の「専用口座」であることは明らかだと思います。

 

この場合、第三者異議の訴えにおいて、信託財産に属する財産であることを基礎づける事実として

1 年月日委託者と受託者は信託契約を締結した。

2 上記信託契約において、金銭は「専用口座」で管理すると定めた。

  (甲第1号証 信託契約書)

3 上記定めに基づき、委託者と受託者は〇〇銀行〇〇支店に信託口口座を開設した。

  (甲第2号証 預金通帳)

または、

1と2は上と同じ

3 委託者と受託者は〇〇銀行〇〇支店の受託者名義の口座を、上記定めに基づく「専用口座」と

することを合意した。(甲第2号証 合意書)

という事実を主張することが考えられます。

しかし、果たしてこれで十分でしょうか?

 

 

加えて主張すべき事実

青い線

例えば、受託者が固有の債務にかかる債権者からの強制執行を免れるために

受託者の固有の財産である(信託財産に属する財産でない)金銭を「専用口座」に入金したとします。

 

受託者固有の債務にかかる債権者が預金口座の差押えをしたところ、

それがたまたま「専用口座」だったとします。

 

そこで、受託者は第三者異議の訴えを提起したとして、上記の1,2の事実を主張するだけで

「専用口座」に入金されている金銭が信託財産に属する財産と認定され、原告が勝訴することになれば

受託者の固有財産である金銭は、入金されていた口座が差押えの対象となっていたにもかかわらず

結果的に差押を免れてしまいます。

 

受託者の口座で堂々と「財産隠し」ができることになってしまいますが、

こういうことがあり得るとすると、見た目が信託財産に属する財産であっても、

中身がそうではないのではとの疑念をもたれる可能性は十分にあると思います。

 

被告(債権者)側で、口座に入金されている金銭が信託財産に属さない金銭であるという事実

(信託財産に属することに消極な事実)を主張しなかったとしても、信託財産に属する財産で

あることを「基礎づける事実」ですから、原告が「専用口座」という「見た目」のみの主張にとどまると

中身の金銭が信託財産に属するとまでは認定できず、主張が不十分で敗訴の恐れがあるかもしれません。

 

では、「専用口座」であるという事実に加えて、どういった事実を主張することが考えられるでしょうか。

例えば

4 受託者は信託事務を行い、「専用口座」に金銭を入金または出金したが、

  その事務にかかる収支及び「専用口座」に対する入出金は別紙明細書記載のとおりであり、

  明細書の残高は「専用口座」の残高と一致する。(甲第3号証 〇〇帳簿)

と帳簿で明らかにするなどの主張が考えられると思います。

 

信託法は受託者に信託財産と固有財産とを分別管理することを義務づけていると言いましたが、

信託法は金銭については「その計算を明らかにする方法(同第34条1項2号ロ)」により

管理すると定められています。

金銭を帳簿で管理する方法は、「その計算を明らかにする方法」の典型だと考えられます。

 

その一方で、信託行為(契約)に別段の定めがある場合は、その定めによるとしています。

ですので、信託契約で「専用口座を開設して管理する」と定めれば、それは別段の定めであり、

「専用口座」で管理していれば、受託者は委託者や受益者との関係において、

分別管理の義務は果たしています・・・果たしていますが、強制執行に対しては

それだけでは不十分となる可能性があるのでは、というのが私の考えです。

  

なお、「その計算を明らかにする方法」のみで金銭を管理した場合、

例えば、受託者が複数の口座で管理していたとして、

帳簿の計算上の残高がどの口座とリンクするのかが明らかでなければ、

どの口座のどの金銭が信託財産に属する財産か特定できないという問題が生じ得ます。

 

 

むすびに

青い線

くり返しになりますが、

契約書に「専用口座で金銭を管理する」と定めていても、それは内部的には構いませんが、

「専用口座」であることを明らかにした上で、さらに、入金されている金銭についても

信託事務を行うことで生じた入出金の結果であることを帳簿で明らかにする、というように

外部から見ても金銭が信託財産に属する財産であると特定できることが

第三者異議の訴えで請求が認容されるために必要ではないかと思います。

 

(受託者には帳簿等作成義務(同第37条)がありますが、上記でいう「帳簿」は

特定の口座と連動して、その口座の残高を明らかにできる程度の帳簿という意味合いです。)

 

今回は、第三者異議の訴えの訴状を作成したとして、

どのような事実の主張が必要かをイメージしながら私なりに検討しました。

ですので、あくまで私見ということでご了承ください。

 

分別管理の効果や倒産隔離機能との関係については、様々な議論がされてきています。

第三者異議の訴えについての判例の集積には時間がかかると思われますが、

それまでは、分別管理とは必ずしもリンクしない部分もあるかもかもしれませんが、

信託財産の独立性を守るために、倒産隔離に耐え得る管理方法を意識する必要がありそうです。

 

※ 「信託法セミナー2(有斐閣)」では、預金債権の帳簿上の分別管理と

 独立性の関係などについても議論されています。特に189~190ページ)

 

投稿者: 司法書士 本多寿之

2018.05.30更新

3月17日に引き続き

「第17回 リビング相談室」の1枠で

「相続ドクターネクスト」を運営されている

株式会社ネクスト様の企画で、セミナーと相談会を開催します。

本多も講師を担当します。

 

第2回「家族信託で元気なうちに認知症対策!」

6月9日(土)13時から

毎日西部会館(北九州市小倉北区紺屋町)

 

詳しくは「リビング北九州」記事 (8ページ右上)をご覧ください。

 

※ 申し込みは西日本リビング社へ。

  先着順、定員15名です。ご了承ください。

 

リビング記事

投稿者: 司法書士 本多寿之

2018.03.01更新

すでに「リビング北九州」を見られて

ご存知の方もおられるかもしれませんが、

「第15回 リビング相談室」の1枠で

「相続ドクターネクスト」を運営されている

株式会社ネクスト様の企画で、セミナーと相談会を開催します。

本多も講師を担当します。

 

「知っておきたい家族信託の基本」

3月17日(土)13時から

毎日西部会館(北九州市小倉北区紺屋町)

 

詳しくは「リビング北九州」記事 (8ページ右上)をご覧ください。

 

※ 申し込みは西日本リビング社へ。

  先着順、定員15名です。ご了承ください。

 

 

投稿者: 司法書士 本多寿之

2018.01.11更新

前回のつづきで、

今回は預金債権以外の信託財産に対する

強制執行について検討したいと思います。

 

このことを検討する上で信託財産を、その権利の得喪・変更について

1 登記・登録をしなければ第三者に対抗できない財産以外の財産

2 登記・登録をしなければ第三者に対抗できない財産

の二つに分けます。

 

そして、上記2の財産は信託法に規定があります。

〇信託法 第14条(信託財産に属する財産の対抗要件)

登記又は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない

財産については、信託の登記又は登録をしなければ、当該財産が信託財産に属することを

第三者に対抗することができない。

 

委託者と受託者が信託契約を結んだとして、対象となった財産が

信託財産に属することを第三者に対抗するには

上記2の財産は通常の対抗要件(登記・登録)に加えて、信託の登記・登録をする必要があります。

 

以下は、各信託財産について所定の対抗要件を具備している前提で検討します。

 

上記1の財産

青い線

(登記・登録をしなければ第三者に対抗できない財産以外の財産)

 

上記1の財産は、信託の公示がなくても第三者に対抗できると解されていますが

(「新しい信託法 補訂版(寺本昌広)」71ページ) 

例えば、債権であれば債務者に対する債権譲渡通知等、

動産であれば受託者への引渡しといった通常の対抗要件の具備は

受託者が信託財産に属する財産の権利主体となったことを第三者に対抗するために必要です。

 

しかし、これでは外形上、受託者が権利主体となったことはわかりますが

信託財産に属したかどうかは判別できません。

 

そうすると、受託者に対し債権を有する債権者が債務名義を取得して

その債務名義に基づきこれらの財産に差押えを申立てた場合、

信託財産と受託者の固有財産の区別ができない以上、

信託財産も強制執行の対象とならざるを得ず、

強制執行が信託財産責任負担債務にかかる債権に基づくものでない場合は、

第三者異議の訴えで争うことになると考えます。

 

 

上記2の財産

 青い線

 (登記・登録をしなければ第三者に対抗できない財産)

 

不動産がこの財産の典型例となります。

不動産は、売買・贈与などがされた場合、買主・受贈者に所有権移転登記をしなければ

買主・受贈者は所有権を第三者に対抗できません。

 

信託の場合は委託者から受託者への所有権移転登記に加えて

信託の登記がされる必要がありますが、

この二つの登記は同時に申請されることが要求されており、

登記記録にも所有権移転登記と信託の登記が記録されます。

 

そうすると上記1の財産と異なり、上記2の財産である不動産は

登記記録を確認することで、つまり外形上も信託財産に属していることがわかります。

 

では、受託者に対する債権を有する債権者が債務名義を取得し、

信託の登記がされている不動産に対して強制競売が申立てられた場合、

不動産に対して差押えがされ、競売が開始するのでしょうか。

 

強制競売の申立てで、執行裁判所には不動産の登記事項証明書が提出されますので

執行裁判所には、不動産が信託財産に属していることが明らかです。

 

その一方で、同時に執行裁判所に提出された債務名義には、

前回、検討したとおり、請求債権が信託財産責任負担債務にかかる債権かどうかは 

表示されませんので、執行裁判所はその点は判別できません。

(民事執行法・規則等の規定を確認しても、信託財産責任負担債務にかかる債権に

基づく申立て特有の添付書面の提出を求める規定は見つけられませんでした。)

 

この場合の裁判所の取り扱いについては、現時点で確認ができていませんが

もし、信託財産責任負担債務にかかる債権がどうかが判別できないから競売を開始できないとすると

信託の登記がされている不動産に対する強制競売は事実上できないことになります。

言い換えれば、差押えが認められるべき債権者も差押えが制限されることになります。

 

ですので、前々回検討した信託口口座に対する強制執行で銀行がとらざるを得ないと

考えられる対応と同様に、信託の登記がされている不動産に対する申立てであっても

執行裁判所は競売開始を決定することとなり、

もし、請求債権が信託財産責任負担債務にかかる債権に基づかない場合は、

当事者が第三者異議の訴えで争うしかないと考えられます。

(「信託と民事手続きの交錯(信託法研究会)」の「信託財産に属する財産に対する強制執行の

制限(山田誠一)」33ページ 第三者異議の訴えについても詳しく解説がされています。)

 

 

おわりに

青い線

3回にわたって信託財産に対する強制執行について

司法書士として関わってきた実務からの視点で検討しましたが、

信託財産に属する財産に対し強制執行の申立てがされた場合、

信託口口座、登記・登録のある財産・ない財産のいずれについても

強制執行手続きは開始することとなり、強制執行が信託財産責任負担債務に

かかる債権に基づくものでない場合は、第三者異議の訴えで争うことになると考えられます。

 

もちろん、第三者異議の訴えで勝訴すれば、信託財産への強制執行は取り消され

信託財産は強制執行から守られることになります。

 

検討には私見も含まれ、実際の取り扱いが明らかでない部分がありますので

今後の実務における取り扱いの蓄積が待たれるところです。

 

ところで第三者異議の訴えの原告は受託者または受益者です。

しかし、信託財産に強制執行が開始した場合、

裁判所から受益者には何ら送達、告知等はありませんので

受益者が知らない間に強制執行手続が進んでしまうということがあり得ます。

これに対して強制執行の債務者である受託者には

強制執行の開始により差押命令等が送達されます。

 

前々回ご紹介した谷口毅先生はブログで、受託者が第三者異議の訴えを

行うことは善管注意義務を負う以上、当然に行うべき職務と言われています。

強制執行がされたことを把握できる受託者は、迅速に対応できる立場であり

適切に対応すべき責任があります。

 

しかし、受託者が信託と無関係の専ら自分個人の立場で負担した債務について

強制執行がされるということは、受託者が経済的にひっ迫した状況にあることが多いと思われます。

そのような受託者が、はたして迅速・適切に対応するのかという懸念も生じます。

 

受託者が迅速・適切に対応をしなかったため信託財産に損害が生じたとき、

受益者が、対応をしなかった受託者に対して、善管注意義務違反による損害賠償責任を

問うことができるとしても、受託者が経済的にひっ迫していれば

もはや賠償する能力がなく、結果的に受益者が損害を被ることにもなりかねません。 

 

今までの信託の多くは商事信託で信託銀行が受託者であったと思われますが、

今後、民事信託(家族信託)が普及すれば、様々な人が受託者となります。

そうすると様々な紛争が生じることも考えられます。

 

強制執行を制限する規定が実際に機能して、信託財産の独立性が守られるのかどうか

今後の動向を注視したいと思います。

投稿者: 司法書士 本多寿之

2018.01.11更新

前回に関連して、強制執行の前提として取得する債務名義について

司法書士の実務の視点から私の考えを述べたいと思います。

 

 

債務名義に記載される事項

青い線

前回の例と同じく、

受託者が権限に基づいて、信託財産に属する建物の修繕を業者に依頼し

修繕が完了したにもかかわらず受託者が代金を支払わなかったとします。

そこで業者は受託者に対して、修繕(請負)代金の支払いを求めて民事訴訟を提起したとします。

 

原告である業者にとって勝訴的な訴訟の終了としては

① 勝訴判決

② 裁判上の和解

③ 請求の認諾 などが考えられます。

 

判決が言い渡される場合は、判決文には判決理由が記載されます。

しかし、裁判上の和解が成立した場合の和解調書の和解条項は

「1 被告は原告に対し、請負代金〇〇円の支払い義務があることを確認する。

2 被告は原告に対し、前項の金員を年月日限り〇〇の方法により支払う。

3 (清算条項)」程度で足りると思います。

また、和解調書には「請求の表示」が記載され、訴状がそのまま引用されることもあるようですが、

訴訟物を特定することが目的と考えられますので

「原告と被告間の年月日付請負契約に基づく、原告の被告に対する請負代金

〇〇円の支払い請求」程度の記載でも足りると思われます。

 

請求の認諾がされた場合はその旨が調書に記載されますが、

その「認諾調書」の記載も和解調書と同じ程度の情報かと思われます。

 

そうすると、債務名義である和解調書や認諾調書に、

請負契約が信託財産のためにされたとか、

請負代金支払債務が信託財産責任負担債務に該当するとか

そういうことは記載されないことが多いと思われます。

 

では、判決であればこれらのことが記載されるのでしょうか?

 

 

訴訟の請求原因事実は?

青い線

判決に記載されるかどうかは、訴状で主張すべき請求原因事実が

大きく関係すると思われます。

 

ところで、通常の請負代金請求訴訟で原告が主張すべき要件事実は次の二つです。

① 原告が被告と(代金〇〇円として)請負契約を締結したこと

② 原告が仕事を完成したこと

では、上の例で、業者が受託者に対する訴訟で主張すべき請求原因事実はどうなるでしょう?

 

受託者が信託財産のためにした行為について、行為の相手方が受託者に債務の履行を求める場合に

信託特有の要件事実があるのかどうか、現時点で私が書籍等で確認できていませんので

あくまで私見ですが、やはり上記の①と②の二つの事実と考えます。

(訴訟物についても請負契約に基づく請負代金請求権で同じと考えます。)

 

信託財産についても固有財産についても、権利の主体はあくまで受託者ですから

受託者の行為の効果が信託財産に帰属するかどうかは、

権利の主体である受託者に対して債務の履行を請求できるかどうかに影響しないと考えられます。

 

行為の効果が信託財産に帰属しても、信託財産に帰属せず受託者の固有財産に帰属しても

受託者に対して債務の履行を請求できることに変わりはないと思います。

 

そうすると、この例では

① 年月日、業者が受託者と代金〇〇円で請負契約を締結したこと

② 業者が仕事を完成したこと

が訴状に記載する請求原因事実になると考えられます。

 

間接事実などで主張されない限り、受託者の請負契約締結が

信託財産のためにする行為であったかどうか裁判所は判断する必要はありませんので、

請負代金支払債務が信託財産責任負担債務に該当するかは

判決からは判明しないことになります。

 

受託者の行為の相手方の、受託者に対する債権が、

信託財産責任負担債務にかかる債権かどうかは、

受託者に債務の履行を求めて提起した訴訟で審理される事項ではなく

強制執行における第三者異議の訴えで審理される事項と考えます。

 

前回、預金の差押えについての検討で申し上げたとおり、

銀行に送達される差押命令に信託財産責任負担債務である旨は表示されないと思われますが、

そもそも判決や和解調書などの債務名義にも表示されないのが通常と思われます。

 

債務名義は銀行には送達されないとは言え、

信託財産責任負担債務か否か債務名義でも判明しないことを

銀行が独自に判断して信託口口座に対する差押えを遮断することは

やはり難しいのではと考えられます。

 

※ なお、信託財産の保存または改良のための行為、

上の例で信託財産である建物の修繕は、

受託者の意思にかかわらず当然に信託財産に帰属し、

その反対給付である代金債務も信託財産責任負担債務となると考えられていますが

(「条解 信託法(道垣内弘人編著)」139ページ)

そうであっても上記青字の考えに影響はないと思います。

 

 

次回は、預金以外の財産に対する強制執行について検討します。

投稿者: 司法書士 本多寿之

2018.01.11更新

信託財産、特に信託口口座に対する強制執行について

以前から疑問な点を持っていましたが、

私と同様の疑問・考えをお持ちの方を知りました。

その方のブログ記事を紹介しつつ、

司法書士の実務としての強制執行や訴訟手続きから見た

私の考えも述べたいと思います。

 

※ 司法書士 谷口 毅 先生「民事信託・家族信託の徹底活用!」

 2017年10月28日付記事「信託口口座と差押

 

信託財産に対する強制執行

青い線

まず前提として、信託財産に対する強制執行については

信託法23条に規定があります。

 

〇 信託法第23条(信託財産に属する財産に対する強制執行等の制限等)

第1項

信託財産責任負担債務に係る債権(略)に基づく場合を除き、信託財産に属する

財産に対しては、強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売

(略)... をすることができない。

第5項

第1項又は第2項の規定に違反してされた強制執行、仮差押え、仮処分又は担保権の実行

若しくは競売に対しては、受託者又は受益者は、異議を主張することができる。

この場合においては、民事執行法(略)第38条及び民事保全法(略)第45条の規定を準用する。

※ 民事執行法第38条は第三者異議の訴えに関する規定 

 

信託財産責任負担債務については信託法21条に規定がありますが

谷口先生の記事では、信託財産に属する不動産について受託者が権限に基づき

業者に発注して修繕をした場合の、業者に対する代金支払い債務を

例としています。この債務は信託法21条1項5号

「信託財産のためにした行為であって受託者の権限に属するものによって生じた権利」

にかかる債務に該当する典型例の一つだと考えられます。

(この債務を業者側から見て「債権A]とします。)

 

信託財産に差押えなど強制執行ができるのは

信託財産責任負担債務にかかる債権に基づく場合であり、

受託者が信託財産とは無関係に負担した債務、例えば、

受託者が同じ業者に自分の自宅の修繕を発注した場合で

受託者が業者に対して負担した代金支払い債務、

業者側から見れば受託者に対する債権(「債権B」とします。)に基づいて

業者は受託者の固有財産に対する強制執行はもちろんできますが

信託財産に対する強制執行は(信託行為に定めがない限り)できません。

(「信託財産の独立性」として説明されることがあります。)

 

 

信託口口座に対する差押え

青い線

上の例で、受託者が債権Aについても債権Bについても支払いをしないので

業者がそれぞれの債権について支払いを求めて訴訟を提起し、

それぞれ勝訴判決を得て判決が確定したとします。

 

業者はそれぞれの確定判決を債務名義として

受託者の甲銀行乙支店の預金の差押えを申立てたとします。

そして、甲銀行乙支店には、上の例の信託財産に属する信託口口座と

受託者の固有財産に属する預金口座があったとします。

 

まず、債権Aに基づいて差押命令が発令された場合、

責任限定信託の場合は信託口口座のみが、

責任限定信託でない場合は信託口口座と受託者固有の預金口座の

両方が差押えの対象となります。

 

また、債権Bに基づいて差押命令が発令された場合、

受託者固有の預金口座のみが差押えの対象となります。

 

しかし、銀行には債務名義は送達されず、送達される差押命令正本の請求債権目録には 

債務名義として「〇〇裁判所平成〇年(〇)第〇〇号事件判決正本」とのみ表示され、

その他は元金や利息の金額のみが表示されるため、銀行に債権の内容はわかりません。

 

また、差押債権目録にも「債務者(この場合は受託者)が第三債務者甲銀行乙支店に

有する預金債権・・・」と抽象的に表示され、信託財産に属する預金か否かは表示されないのが

通常の取り扱いと思われます。(複数の口座があった場合、「定期預金、定期積金・・・」

「口座番号の若い順」など差押えの順序の指定はされます。)

 

そうすると上の例で、銀行は送達された差押命令正本の表示から、

差押の対象となる預金口座が、信託口口座のみか、受託者固有の預金口座のみか、

またはその両方かを判別することは不可能です。

 

谷口先生は、受託者が同じで委託者が異なる複数の信託口口座があった場合も

例として挙げていますが、同様に差押命令正本にはそもそも信託に関する情報は

表示されていませんので、どの信託口口座に対する差押えか、やはり判別が不可能で

先生が疑問に思われているとおりだと思います。

 

銀行が差押命令正本の送達後、本来、差押の対象とすべき口座について

受託者の請求に応じて払い出しをしてしまうと、

債務者に対する弁済の禁止に反し、銀行が第三債務者として責任を問われかねません。

 

結局、銀行はどの口座を差押の対象とすべきか判別できない以上、

指定された順序で口座を差押の対象として、その結果、信託口口座が

対象となった場合は受託者の払い出しには応じず(口座をロック)、

もし、信託財産責任負担債務にかかる債権に基づく強制執行でないのであれば

当事者間で信託法23条5項に基づいて、裁判所で第三者異議の訴えで争ってください

という対応を取らざるを得ないのではないか・・・と思われます。

 

第三者異議の訴えにおいて、預金口座が信託口口座となっているという事実は

預金が信託財産に属しているということを証明する有力な証拠となるでしょうから

信託口口座を開設して金銭を管理することは、やはり有益であるとは考えられます。

 

しかし、信託に無関係な強制執行を銀行側で遮断できるかという点についは、

上記のとおり疑問が残ります。

 

以上の私の考えは、谷口先生が記事に書かれたお考えと同じと思われます。

 

※ 谷口先生にはブログ記事のご紹介・引用についてご快諾いただきました。

ありがとうございました。

 

次回は、強制執行の前提として取得する債務名義について

私なりに検討したことを述べたいと思います。

 

投稿者: 司法書士 本多寿之

2018.01.04更新

※ このページでは、判断能力が低下して成年後見人の支援が必要な

成年被後見人、または、信託で財産を託する委託者を「本人」と呼びます。

 

ブログ「家族信託の動画「②認知症対策」の解説」でも触れましたが、

成年後見制度は本人の権利と財産を「守る」制度であり、

それがために、「財産を凍結される」(実際は凍結しません)

「窮屈だ」と感じる人が多いのも事実ですが、「守る」ことに徹するのは、

本人の判断能力が十分でない以上、当然のことだと思います。

 

それに対して家族信託は、柔軟な設計が可能で、

財産も凍結されないことがメリットだと対比されることが多いです。

 

成年後見と家族信託は正反対のもののように言われ、

確かにそういう側面もあるかもしれません。

しかし、両者の根底にある考え方は同じだと思っています。

 

 

成年後見制度の「自己決定権の尊重」

青い線

まず大前提として、成年後見制度は本人のための制度であり

成年後見人や親族を利するための制度ではないのは当然です。

 

そして、成年後見制度の重要な基本理念に「自己決定権の尊重」があり、

民法858条にも本人の「意思を尊重」と規定されています。

 

「判断能力が低下した人が自己決定?」と思う人もいるかもしれませんが、

 重い障害や疾患があっても、それでもなお本人には能力や意思は残っており、

その能力を活用して本人が自己決定した意思は尊重されるべきという理念です。

 

本人保護との調和が求められる場面もありますが、

どこで暮らしたい、こんな医療が受けたいといった本人の決定を

成年後見人は最大限、尊重してその職務を行わなければなりません。

 

成年後見制度はもっぱら本人のための制度であり

本人の意思決定は尊重されなければならない・・・

 

 

家族信託と「自己決定権」 

青い線

※ ここからは私見が多く含まれます。

 

信託は誰のためのものかというと、「受益者」のためのものであり

受託者がその立場で、信託財産から利益を受けることが

禁止されている(信託法8条)ことからもわかるように

受託者を利するためのものではありません。

 

そして、家族信託は委託者=受益者でスタートすることが多いと思います。

 

契約による信託は、委託者と受託者間の契約で成立しますが、

ここで最大限、尊重されるべきは後に受益者となる委託者本人の意思だと思います。

 

成年後見制度において、判断能力の低下した本人、しかし、自己決定した意思は尊重されるべき、

ならば、家族信託において、判断能力の十分な委託者本人の意思が尊重されるのは当然です。

そういう意味で、成年後見と家族信託の根底にある考えは同じと考えます。

 

信託契約の内容によっては、委託者がないがしろにされ、

受託者や他の家族ばかりに都合がよく利益を得られるような

しくみになることもあり得ます。

 

委託者の意思を尊重しない、そして受益者のためにならない信託は

信託というしくみが存在する目的に反したものだと思います。

 

もっとも、成年後見との大きな違いとして、

例えば委託者の自宅を対象財産とした信託で、委託者が

「場所が良くないから、〇百万円でも売れるときに売ってしまいなさい」と、

成年後見であれば裁判所が許可することが難しい低額での売却を可能な契約内容にする・・・

 

受託者が財産の管理処分をしやすいように、残された家族がスムースに財産を承継できるようにと、

委託者本人以外の者にも有益な内容を含めるといった柔軟な設計が、信託では可能です。

 

これは、信託は契約時に、委託者本人に十分な判断能力があることが前提であり

委託者が自由な意思決定のもとで行うからこそ可能となることです。

 

家族信託は成年後見と比べて、柔軟な財産の管理処分が可能ですが、

両者とも、財産を管理してもらう「本人」のためのものであり

「本人」の自己決定を尊重するという根底にある考えは同じだと思っています。

 

 

 

 

 

投稿者: 司法書士 本多寿之

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